Opportunity knocks
DiaryINDEXpastwill


2006年12月09日(土) 京都泊(かなり長文です)

今日、明日は泊りがけで京都。とその前にいろいろやることがあって、朝からかなりばたばたした。
何事に関しても必要に迫られないと動けないわたし。2,3日前から準備しておけばもっとスムーズにいくものを、頭でわかってはいてもなかなか実行できず。
たぶんそうやってばたばたするのが最終的に好きな性格なのだろう。
講義の資料や電子辞書のほかに、化粧品、コンタクト、着ていく服にハンカチ、携帯、充電器などなどを慌ててバックにつめこみ、シャワーをあびて髪を乾かしつつ、朝ご飯の準備&今晩の夜ご飯のシチューの下拵え。
そんなときに限って雨で、コドモを駅まで送らなくてはならず、一連の準備を超スピードでやって、やっとのことで家をでる。
コドモを駅に送っていったあと仕事場へ直行。午前中は通常通りパソコン睨みながら単純頭脳労働。
12時半に仕事場をでていったん家へ戻る。作りかけのシチューを完成させ、朝できなかったメイクを簡単にすませると、午前中学校にいっていた連れ合いが戻ってきたので、ちょうどよかったとばかりに駅まで送ってもらう。感謝感謝。

やっとのことで駅についたのが13時45分。ここにきて重大な忘れ物を発見。お土産用に買っておいたささ栗を家に忘れてきてしまった。ぐわーん。
電車の時間を20分後に控え、大慌てでT島屋のグラマシーニューヨークにいってチーズケーキを買いに行く。スフレのチーズケーキの焼きあがりの時間がバスの時間の5分前で一瞬迷ったのだけど、結局ベイクドタイプのものにした。スフレは人気があって滅多に買えないのでちょっと残念だったけど仕方ない。
ついでにFAUCHONに寄ってお昼ご飯にたべるパンを2つ買った。

そんなこんなでやっとバスに乗車。乗り始めて10分くらい後になぜか急激に眠気がきて、しばらく熟睡。
PAで休憩しまーす、という車内アナウンスで目がさめた。時計をみたら1時間くらいたっていた。PAでバスを降り、ミネラルウォーターを買って車内へ戻る。
おなかがすいたのでお昼に買ったパンをもそもそたべながらぼんやりしていたら、急にバスが減速した。まさか、、と思っていたらやっぱり渋滞。
トンネル内で事故があったとかでかなりの間のろのろ運転が続く。
ほんとうなら16時過ぎには京都に着いている予定だったのだけど、この分だと17時くらいにずれこみそうな気配。到着予定時刻を今日お泊りさせてもらうRさんにメールする。

事故現場をやっとのことで通過して17時15分に京都着。
辺りはもう真っ暗で、冷たくて重い雨が降っていた。バスを降りてJRの乗り場へ向う。
私鉄を使うルートもあるのだけど、京都駅からRさんの家の最寄の駅まで思ったより遠くなかったので、JRでいくことにした。
そしてJRの駅を降りてバスに乗るために時刻をみたら、なんと1時間に1本しかないバスが2分前に発車した後だった。。
それでも駅前は時間がつぶせそうなところがあったので、1時間待つつもりでRさんにメールをする。年をとるにつれて時間の流れる速度がはやくなるのか、1時間くらいの時間はすぐつぶせてしまう。駅前の大きなショッピングモールに入って、スーパーマーケットでいろいろみていたら(実はスーパーマーケットが好きです)Rさんから電話がかかってきた。
連れ合いさんが飲み会で京都まででるので、ついでに車で駅まできてくれるとのこと。お言葉に甘えて待つことにした。
どきどきしながら、コンビニの前にたっていると、濃紺の四輪駆動車の中からRさんとつれあいさんが降りてきた。
はじめまして、とご挨拶。連れ合いさんにははじめて会うのだけど、長身で細身でメガネが似合っていて、思慮深そうな目をした素敵な人だった。ふたりで並んでいると、なんというかとても仲が良さそうで、月並みな言い方だけどお似合いのふたりだなあとおもった。

車に乗せてもらってRさんちまで。途中で連れ合いさんが駅で降りて、Rさんが運転を交代。
あまり日常的に車を運転しないRさん。とても緊張していた。
途中、すれ違いが難しいくらい細い道を抜けてRさんちに到着。車庫入れでさらに緊張しているRさんに代わって、車を駐車場に入れる。やっとRさんより得意なものを発見して少しうれしくなったり。でも運転に慣れればすぐわたしよりうまくなってしまうんだろうな。

はじめてお邪魔したRさんのお家。版画の絵の具が机にいくつも置かれていたり、不思議な形をした植物がいっぱいあったり、想像以上に素敵だった。居心地良く住まれている雰囲気が伝わってきた。
ノンカフェインの良い香りのするお茶をいれてもらって、いろいろな話しをする。本棚の本の話、おなかの赤ちゃんの話、食べ物の話、グレートギャッツビーの翻訳の話、植物の話、数え切れないくらい。
人と話すのがあまり得意でないわたしなのだけど、Rさんには不思議に緊張することなく話すことができる。たぶんRさんが聞き手として優れているのと、お互い聴いたり話したりする割合が一緒なのだと思う。
つまり一方的に話し手とか、一方的に聴き手でいるのではなく、聞くのと話すののバランスがいいのだということ。

しばらくそんなふうに話したあと、Rさんが夕ご飯の支度をする傍ら、少しお手伝い(かぼちゃの皮をむいた、お皿を運んだ)をしたり、講義資料を読んだり、オーディオにかけてもらったバッハの練習曲を聴いたり。
夕ご飯は、かぼちゃとトマトのスープ、ブロッコリーとロースハムのパスタ、アボカドとサーモンのサラダ。南瓜とトマトのスープは南瓜の甘味とトマトの酸味がとてもよくてすごくおいしかった。ブロッコリーのパスタはつぶつぶのブロッコリーにオリーブオイルとガーリックの風味がきいていておいしかったし、アボカドとサーモンのサラダは、檸檬とケイパーとみじん切りにした玉ねぎがアクセントになっていて、これもまたすごくおいしかった。それに加えて誰かに食事をつくってもらう幸せ。
世の中の人は、食事を作ってくれる人に対してもっと感謝しなきゃいけないとおもう。誰かが作ってくれたご飯って、ほんとおいしいんだから。

ご飯の後、ふたりでお皿を洗って後片付け。その後、またお茶を飲みながらチーズケーキをたべたり、(Kさんのお家の)林檎をごちそうになったりしながら、いろいろ話す。今度は写真や絵本の話。お勧めの本をいくつか教えてもらった。山本昌男という人の写真がとくに印象に残る。あとでネットで検索してみたら、蒲郡の人なのだそう。日本ではあまり展覧会を開く事はないみたいで、ロンドンでの展覧会が近々あるみたい。ロンドンまでいけないしなあ。機会があればじかにみてみたいなあと思う。
それから念願だったRさんの版画、じかにいろいろ見せてもらった。
パソコンではわかりにくい色のグラデーションや、質感など、とても素晴らしかった。
いつか本屋を開く事ができたら、きっとRさんの版画をかざりたいなあと思う。

そんな感じで時間のたつのを忘れて話しをしていたら、飲み会から連れ合いさんが帰ってきた。お茶のむー? のみまーす、というやりとりがとてもほほえましくて、あらためて良いなあとおもった。とてもしあわせそうで。

そのあと、パソコンで明日の朝の学校への道筋を教えてもらって、時刻やバス停の場所まで教えてもらった。行き当たりばったりのわたしとはやっぱり違う。おかげでとても助かった。それから、いつか本屋を開きたいというわたしの大それた目標を話したら、店作りの参考になる本屋があるよーと「恵文社」という本屋を教えてくれた。これもまた地図まで書いてもらってくわしく教えてもらった。

あっというまに日付けが変わる時間。最後にちょっと映画でもみようかーということになって、チェコアニメ?なのかな?見た事のないような不思議で素敵な短編映画をみせてくれた。テレビというものがないRさんち。映画を見ているのは知っていたので、テレビがなくてどうやって映画みてるのー?ときいたら、これでみてるんだよー、とプロジェクターが出てきた。これを天井に映して、寝ころんでみているのだそう。なんて素敵なんだろうと感動。
そんなわけで、ふたりで仰向けになって(連れ合いさんは壁にもたれて天井を見上げながら)映画をみた。緊張しているような、リラックスしているような不思議な感覚。とても素敵な時間だった。

お風呂をわかしてもらって、パジャマまで用意してもらって(何ももってこなかったわたし)就寝。いろいろあったけれど、疲れというものを感じなくてほんとうにたのしくて有意義な一日だった。







n |MAIL