Opportunity knocks
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2007年11月05日(月) ああこんな気分

小池昌代「タタド」を読む。

ドン・デリーロの「ボディ・アーティスト」を読んで以来の感覚。
自分ではなんともできないもやもやしたものを、自分ではない誰かが言葉として表現し、そしてそれを目にしたときの驚愕と尊敬とうれしさと悔しさ。

「ときどき、生きていると、この世の中へはみだしているって思うこと、おまえ、ない?別に悪いことをして、はみだすわけじゃないんだ。ただ内に入れないっつぅ、そういう気分。そういうとき、おれ、補欠になってる。今だって補欠だ」

「いつか出番が」

「来るかな、そんなもの。おれ、ずっとこのまま、ござのうえに座り続けているような気がする」



最後の短編にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の話がでてきてびっくりした。
これはもう見に行けということか。


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