Opportunity knocks
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小池昌代「タタド」を読む。
ドン・デリーロの「ボディ・アーティスト」を読んで以来の感覚。 自分ではなんともできないもやもやしたものを、自分ではない誰かが言葉として表現し、そしてそれを目にしたときの驚愕と尊敬とうれしさと悔しさ。
「ときどき、生きていると、この世の中へはみだしているって思うこと、おまえ、ない?別に悪いことをして、はみだすわけじゃないんだ。ただ内に入れないっつぅ、そういう気分。そういうとき、おれ、補欠になってる。今だって補欠だ」
「いつか出番が」
「来るかな、そんなもの。おれ、ずっとこのまま、ござのうえに座り続けているような気がする」
最後の短編にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の話がでてきてびっくりした。 これはもう見に行けということか。
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