ON LOTUS
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2004年06月26日(土) 第十四回怪談之怪レポート。

ということで、百三さんそうすい氏と共に怪談之怪に行ってきました。


場所は、外苑前にある『梅窓院』という、由緒あるお寺。
なんと歌舞伎にもその名が登場するほどなのだそうで。
寛永二十年建立って…江戸時代ですか。
そのお寺の「祖師堂」という、非常に近代的な最新のバリアフリーの建物の中で、今回の怪談之怪は催されました。

そんなところに、怪談好きがわらわらと集合して、怪談を語ったりそれを聞いたりしている様は、端から見るとどんな風に写るのでしょうか。
それはともかくとして、非常に濃密な時間を過ごすことができて、良かったと思います。

いつもは一人だけのゲストが、今回は雑誌『幽』発刊記念ということで、なんと十人ものゲストが。豪華です。豪華絢爛。一抹の怪しさは拭い切れませんが、そこは怪談なので諦めましょう。

と学会でお馴染みの唐沢俊一さん、
怪談映画専門制作集団、オフィス・ユリカ主催の山田誠二さん、
評論家にして小説家の高原英理さん、
詩人にして歌人の佐藤弓生さん(高原さんとご夫婦なんだそうです)、
妖怪文人の化野燐さん、
作家で英文学者の南條竹則さん、
幽の表紙も手がけられている写真家のMOTOKOさん、
作家、歩くひとり百物語の加門七海さん、
作家の平山夢明さん、
作家の福澤徹三さん。

それから、いつものメンバー。
京極夏彦さん、東雅夫さん、木原浩勝さんと中山市朗さんの四人。
これが豪華絢爛でなくてなんでしょう。
しかも、三部構成。

まず最初に、舞台右袖から京極夏彦さんが登場。
前口上を述べられて、他のメンバーのお三方を招き入れます。
お三方は左袖からぞろぞろと登場。
ステージには、椅子が六脚並んでいまして、
右から京極さん、中山さん、ふたつ空けて(ゲスト用の椅子なので)、木原さん東さん。
全員が席に着いたところで、第一部開始。
まず木原さんと中山さんが怪談を披露。
それから、最初のゲストの唐沢さんと山田さんが舞台に登場。
唐沢さんのお話は、すごいオチがついて爆笑。最初はポピュラーな怪談だったのに、どうしても宇宙人に行き着いてしまうところが最高でした。
山田さんのお話は、ご自身の体験。しかも、ご自分の家のお話でした。
結局、開いていた天井はなんだったのか分からないまま退場。実は未だに気になっていたりしますが。

二組目のゲストは、高原さんと佐藤さん。
高原さんは…国書刊行会の分厚い本の中からピックアップした怪談を紹介してくれました。猫蜜柑というお話がお気に入りだと披露してくれたのですが、ワタシも気に入ってしまいました。その本…欲しい。
でも、タイトルをはっきり憶えていません。『近世民間異聞怪談集成』とかいいましたっけ?ご存じの方はご一報下さい。
佐藤さんは、三編の詩を朗読されました。独特の朗読が、かなり恐ろしい感じに響いたのはワタシだけではないはず。えーっと、どなたの詩を朗読されたのだか失念してしまいました。辻征夫さんでしたっけ?

ここで二十分間の休憩。
小腹が空いたので、ロビー(廊下?)の片隅で、そうすい氏とふたりでプリッツをぽりぽり。食べ終えてお手洗いに入り出てきたところで、「怪談之怪四人全員のサイン入りでーす!」というような声が…。思わず引き寄せられて一冊購入…していたら、会場内では第二部が始まっているではないですか。

第二部は、衛星放送BS‐iで公開されている「怪談新耳袋」をダイジェストに公開というもの。
確か「赤い目」「黒い男たち」「教えて」「正座する影」「幽霊屋敷と呼ばれる家」…他にもあったような気がしますが、最初のお話はタイトル見逃してしまって分かりません。
それから、八月中旬に『渋谷シネ・ラセット』で公開される予定の「怪談新耳袋 劇場版」の予告編でした。
「黒い男たち」と「正座する影」に爆笑してしまいました。
会場中が湧いていたから、うん、可笑しかったのは間違いない。

しゃーーーーーーーーーーーー!!!!!!

再び二十分の休憩。

百三さんとロビーで彷徨っていたら、入り口の外に多田克己さんを発見。
他の方は知らない方でしたが、たぶん妖怪関係…。
さらに廊下でうろうろしていると、東雲さんにも遭遇。
先ほど舞台でお話をされていた山田さんがひょっこり会場から出てきたり、
そういえば前の休憩時間には福澤さんが廊下で喫煙中だったりしていました。なんだか得した気分。
百三さん、そうすい氏、東雲さんと話し込んでいたら、またもや会場内が暗いのに気がついて、あわてて戻る。
ステージ上の先生方が、どことなく「みんな早く席に戻れ〜」というような顔をして待っていて下さったように思えるのは、ワタシの気のせいでしょうか。

第三部は、再び怪談。
三組目のゲストは、加門さんとMOTOKOさん。
MOTOKOさんは、沖縄旅行の時に見た不思議な渦のお話。
加門さんは、恐山の旅先で居酒屋のご主人に聞いたというお話。
加門さんのお話、もっともっと聞いていたかったです。きっと、どんどん出てくるに違いない。

四組目のゲストは、化野さんと南條さん。
化野さんは、博物館の学芸員のお話。
南條さんは、大塚にある中華料理屋さんの娘さんから聞いたというお話。
なんと、いいところで、お客さんが来てしまって続きが聞けなかったということなので、いつか謎の洞窟の物語の結末が聞けるといいなと。切に願います。

最後のゲストは、平山さんと福澤さん。
平山さんのお話は、非常に面白くて素敵な話術で、ずっと笑い転げていたのですが。その反動のように、さらりと語られた「ちくしょう」で終わるお話にぞっとしました。
福澤さんは、ご友人の福祉関係の方から聞いたお話と、映画館で撮れてしまった弁士の写った写真のお話など。

怪談はここまで。
いつまでも聞いていたいような、そんな気分でございます。
が、今家でこれを書くに当たって、一生懸命今日を追体験していたら、ちょっと怖くなってきました。

皆様の元に、異界が訪れていませんように。


たけやん |MAILHomePage

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