おのだの今日
趣味の演劇、旅行の仕事、なんでもない毎日。


2001年12月11日(火) イヤな予感「奄美大島・霧島温泉3日間」その1 

無事、添乗から戻って参りました。
いやはや、楽だったけど、ひさびさの募集モノは
やっぱり疲れますな。
いっぱい気を使うし。

添乗員の仕事ははトラブルに対処することはもちろんですが、
クレームになりそうなことは事前にチェックし、
あらかじめお客さんに情報を与えるなどして、
それを未然に防ぐこともその仕事です。
お年寄りにはホテルのオートロックひとつとってみても、
事前に言わないとクレームになりかねません。


この仕事について、もうすぐ丸8年。
少しはその筋の人っぽくなったつもり。
何かトラブルがある時には事前にイヤな予感がするようになった、
と自分では思っていた・・・。


ところが、違っていた・・・。
今回ばかりはイヤな予感など微塵も感じなかった・・・。

出発前の名古屋空港。
お客さんの受付を済ませ、
ボクは集合時間までにお客さんが搭乗待合室へ入ってくれるよう、
手荷物検査の入り口の前で、
すべてのお客さんが中に入ったかどうか見ていました。
先に待合室に入ってしまうと、外で何か起きたときに対処できないので、
だいたい添乗員は集合時間ギリギリまで待合室の外にいます。

その時アナウンスが・・・。
「ジャルエキスプレス881便にて鹿児島までご搭乗のお客様にご連絡申し上げます。
使用機の到着の遅れにより、10分程度出発が遅れる見込みでございます。」

こんなことはよくあること。
ボクは少しの焦りも見せず、みかけた自分のお客さんに、少し送れるみたい
ですね、と声をかけた。

しかしながら、この時ボクは異変に気づかなかった・・・。

普通なら、出発が遅れる場合、新しい出発予定時刻が掲示板に訂正されるものである。でも、この時、「遅れ」と記されたのみで新しい出発時刻の掲示は無かった。そもそもそこがおかしかった・・・。


2度ほど、10分程度送れる旨のアナウンスがあった後、
そろそろ搭乗時刻というとき、その出来事は起こった・・・。


またもやアナウンスが・・・。
「ジャルエキスプレス881便にて鹿児島までご搭乗のお客様にご連絡申し上げます。
使用機の整備のため、出発が1時間ほど遅れる見込みでございます。
お客様には呈茶券をお渡しします・・・・」



「なぬぅーーーーーっっっっ!」



ボクは焦った。
普通なら、しょうがない、とあきらめ、
その日の行程の変更を検討するはずである。
しかし今回はそうはいかなかった。

鹿児島から乗り継ぎでその日のうちに奄美大島に入る予定なのだ。
乗り継ぎの時間は1時間。
飛行機の乗り降りを考えると、乗り継ぎできる精一杯の遅れは
40分までである。


ボクはグランドホステスに詰め寄った。
乗り継ぎは可能なのか?
出来なかった場合の代替え手段は?
次の乗り継ぎ便の時間と空き状況は?
今日中に島へ渡ることは可能なのか?

乗り継ぎの便は他の航空会社の予定だったため、
煮え切らない答え。
最悪、鹿児島から船で奄美まで、などとぬかしやがる!

おいおい、300キロを船で行ったら、今日中に着けんやんけ!
「寝言は寝て言え!」
などと言えるはずもなく・・・。
ボクが言った言葉は、
「がんばって直して下さい・・・。」
我ながら、なんと意味のないなことを・・・。
直すのはグランドホステスじゃないし・・・。

とりあえず、1階へ降り、
ボクは乗り継ぎ便の航空会社のカウンターへ向かった。
正確な次の便の空き状況を把握するためだ。


「大丈夫ですね、60席ほど空きがあります」

神様の声に聞こえた。

その場合の団体割引との運賃の差額は出発を遅らせた航空会社が
もつことになるそうだ。


そこまで聞いてひと安心。


ちなみにボクは添乗で飛行機が欠航になったこともないし、
到着空港が変更になったこともない。
その点は強運の持ち主と自負している。
が、裏を返すとその手のトラブルにあったことが無いのだ。


ここでボクは迷った。
乗り継ぎ便が変更になり、今日予定している観光ができなくなる
可能性があることを今の時点でお客さんに伝えるがどうかだ。
お客さんは誰一人、予定便に乗り継ぎできなくなるなんて思ってもいないはずだ。

情報提供は早いほうがクレームになりにくい。
ボクが思う大原則である。

しかしながら、まだ鹿児島までの航空機の正確な出発時間の
発表はない。


ボクは正確な発表があるまで待つことにした。
とりあえず、今日中に島まで渡る手段は確保したので、
これ以上できることはない。
あとは機材の故障が直るのを待つしかない。

そして運命のアナウンス。
「ジャルエキスプレス881便にて鹿児島までご搭乗のお客様にご連絡申し上げます。
故障個所が見つかりましたので、まもなく皆様方を機内へとご案内出来る見込みでございます・・・・」

その時定刻より30分を過ぎた時間だった。

「間に合う!!」

念のため、グランドホステスに確認すると、

乗り継ぎは可能で、
現地にはスムーズに乗り継ぎ出来るよう、連絡を入れてもらえる
とのこと。船で行け!っていった割には気が利くじゃん、
サンキュー!


てな具合で、鹿児島空港では慌ただしかったものの、
なんとか予定便で奄美大島へ向かうことが出来た。


<つづく?>








投票ぼたんデス。

My追加











 < カコ  もくじ  ミライ>


おのだ [MAIL]

My追加