2002年02月12日(火) |
強者どもが夢のあと。 |
劇団Beansの公演が無事終了しました。
正直、2週間前の通し稽古を見たときは、「ヤバい」と思いました、過去最強に。 残された2週間という時間の中で、演出がどこをどう修正したらお客さんに見せられる芝居になるのか、ボクには全然分からないほどの出来具合でした。 結局、その2週間は仕事が忙しくなり、ボクは全く稽古を見学に行けませんでした。 でも、本番前のゲネプロを見たときに、そんな不安は全くなくなりました。 役者それぞれが満身創痍で、ゲネプロは押さえながらやっていたようでしたが、2週間前とは全く別の芝居を見ているようでした。組上がった舞台や照明、衣装があるから、「らしく」見えるのは当然ながら、役者個々のキャラがいつのまにやら、できちゃってました。これにはびっくりしたなぁ。 稽古中にはあまり目立たなかった役まで、とてもいきいきとしてました。
うん、これなら心配ない。
ボクは確信しました。
結果その通り、2回の本番とも、ボクは客席の一番後ろのほうに立ち、会場係の仕事そっちのけで夢中になって芝居を観て、そして泣いてました。(笑)
今回は休団という立場での公演でしたので、ボク自身はほとんど何も関わってなかったのだけれど、総じて好評だったアンケートを打ち上げ会場でみながら、ほんとうにうれしく思いました。
実際には、一つの芝居を作り上げる上で、劇団員同士衝突もしただろうし、 自分の歩いている方向すら分からなくなり、様々なことに悩み、迷ったこともあったと思うのだけれど、舞台の上では評価していただけたのだから、正直に喜んでいいのではないかな、と思うのでした。 当然厳しいご意見もあるわけで、それらはこらからの課題ということで。
今日一日、 朝6時過ぎに起きて、 20センチはつもっている車の雪をどけ、 ドアが凍って開かなくて、助手席のドアから車に乗り込み、 凍った道の中を打ち上げ会場から自宅に戻り、 いつもの通りに会社へ出勤しました。 宣伝したって、会社の人たちは誰も来てくれないので、 当然彼らにはボクが昨日一昨日と公演の手伝いをしていて、 少しは寝たけど眠くて眠くてしかたないことなんか知らない。
なんだか、昨日までの仕込み、本番、バラシ、打ち上げが まるで夢だったみたいな感覚になる。
本番終了後、バラシが終わって一段落し、すっかり元通りになった会場を見ていつも思うことがあるんです。 ほんの数時間前まで、ここで芝居が行われていたなんて微塵も感じない静けさ。 そんなとき、なぜかボクは
「強者どもが夢のあと」、ってつぶやきたくなるんです。
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