日々雑感
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2002年01月04日(金) |
ハードボイルドな猫は雪の日に何をするか |
郵便局へ行きがてら、散歩する。用事を済ませ、本屋を経由して、海ぞいの道をまわって帰る。船着場にはうっすらと氷が張っている。お盆の頃には、ここから灯篭を流すために人が集まってくるのだが、今はひっそりとして誰もいない。どこへ運んだのか、漁船の数もいつもより少ない。
野良猫が今日もやってくる。感心なことに、毎日一回は律儀に顔を出す。このあたり一帯をなわばりにしているようで、近所の友人の家へも入り浸っているらしい。
「ニャー」という声が聞こえて戸を開けると、ちょこんと座ってこっちを見上げている。そばへ寄るとすかさず膝の上に乗り、丸まって深いため息。さらに、グルグルとよくわからない声を出して何かしゃべり、しばらくすると一度も振り返らずに雪の中へと消えていく。ハードボイルド。どこを渡り歩いているのか、冬だというのに真ん丸で、見るからに栄養状態がよさそう。
猫の他にいろんな鳥もやってくる。ムクドリ、ホオジロ、アカゲラ。次々とやってきては、冬枯れのニセアカシアにとまっていくのが窓から見える。この寒い季節でも、いろんな生き物がちゃんと活動しているのだ。当たり前といえばそうだが、特に雪深い日などに、歩いたり、飛んだりしている姿を見かけると少し感動する。凍った海の底でもきっと魚が泳いでいるのだ。
夜になると積もった雪は蛍光色に変わる。暗闇の中に光を発しながら浮かび上がる。鉄橋を渡る電車の音が聞こえる。
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