日々雑感
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2002年02月17日(日) 東北のラテン系

午後から小雨。もう雨が冷たくない季節になった。

読売新聞・土曜日の夕刊に「人間列島」という連載がある。47都道府県のうちから一つ取り上げ、出身者のコメントを交えつつ2〜3週かけて紹介していくのだ。北海道、長崎ときて、今回からは秋田。地元である。

見出しに「東北のラテン」とある。作家の西木正明氏が「秋田人ラテン系説」をとなえていて、なるほどなあと思う。

東北というと「我慢強い」とか「耐えて忍ぶ」とか「寡黙」とか、ストイックなイメージで一括りにされるけれども、もちろん「東北」といっても色々だ。その土地の個性というのは確かに持ちつつ、でもそれは多様なのだと思う。秋田に共通するイメージを何かひとつ、あえてあげろと言われたら「ラテン系」というのはいいかもしれない。何といっても、東北の中の「着倒れ、食い倒れ」。秋田で全国トップクラスのものといえば「日本酒の消費量」「美容院の数(人口比)」「貯蓄の少なさ」「睡眠時間の長さ」。

耐えて忍ぶというより、むしろ「ま、いいか」と開き直る。とりあえず酒を飲みたがる(飲める人も飲めない人も)。先のことを考えて努力するというよりも、のほほんと漂いつつ、「そのとき」を楽しむ。大人物が出ないというのがわかる気がする。

例えば電車に乗っていて、秋田から青森に入っただけで、雰囲気が変わるのがわかる。とりあえず顔つきが違うのだ。秋田人の顔はアクがないというかクセがないというか、どこか抜けている。でもって、ええかっこしいで、面倒くさがりで、頑固。しょうがないなあと思いつつ、それもいいかなと思う(このへんが秋田人気質か)。

一方で、鬱病が多く、自殺率が全国トップという事実もある。のんびりした空気も、閉塞感も、どちらも現実。ラテンの国では、光も影も濃いのだろうか。

夜、吉祥寺で友人と夕食。「アジア食堂」というところに入って、グリーンカレーや生春巻きなど食べる。そのあと、本屋で立ち読み。ある雑誌の日本酒特集で安西水丸さんが秋田のお酒を紹介していた。甘いけれど飲み口がすっきりしている、ものすごくおいしいお酒と言う。これはいいなあ、今度帰ったら探してみようかなと思いつつ、本屋を出たら名前を忘れてしまった。ラテン系、記憶力のほうはどうなのか。


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