日々雑感
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2002年02月19日(火) 坂の上から

横浜の友人の家を訪ねる。駅から友人の家までは坂道が続く。坂道を歩くのは好きだ。のぼってゆく先に何があるのか、そこからどんな眺めが広がるのか。

ここへ来るのは、年が明けてからははじめてだ。しばし歓談。友人が自分で漬けた梅酒を出してくれる。ちょうどいい色合いで、おいしい。味噌とマヨネーズを添えたキャベツをかじりつつ飲む。

窓からは富士山が見える。あまりにもはっきりと、大きく見えるので驚く。丹沢の向こうにのぞく富士山。夕日の色に染まっている。

富士山が見える窓というのはいいなあと思う。窓からの眺め。うちのアパートの窓からは大きなビルが見える。正午前の一時間ほどは太陽がちょうどその陰に隠れて薄暗くなるのだ。前に住んでいた部屋では、隣りのアパートの窓がすぐそこに見えた。実家の場合はニセアカシアと、海と、遠くに山。遠くまで見渡せる窓があるといい。

梅酒を飲んで、音楽を聴いて、とりとめもなく話をしているうちに、あっという間に時間が経つ。時計を見てびっくり。この家ではほんとに時間を忘れる。

帰り道。坂の上から見下ろす町には灯りがともっている。あの中に、家やお店や車や、いろんなものがあるのだ。けれども、遠くからは等しく灯りしか見えない。坂道をゆっくりと下る。自分も灯りの中へと入ってゆく。


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