誰にでもひとつは「苦にならないこと」があるだろう。細かい作業を何時間でも続けられる人、料理大好きな人、身体を動かしていないとすっきりしない人。自分の場合、その「苦にならないこと」は、「移動すること」だ。どこかへ向かっている最中がいちばん楽しい。単なる逃避か、やがては帰る場所があるはずという甘えか、それでも、その落ち着きのなさは事実なのだから、心ゆくまでまっとうしようと思う。ということを、次に訪ねる場所のことを調べながら考えた。久しぶりに晴れる。よく晴れた日の朝はひときわ寒い。