週末はベルリンにいた。あそこは、ほんとうに面白い場所だ。映画「ベルリン天使の詩」で天使たちが翼を休めていた戦勝記念塔のてっぺんまで階段をのぼると、うっすらと雪に覆われたベルリンの街が視界いっぱいに広がる。風が強い。混沌と静寂と活気とが混在する不思議なところ。旅の道連れもよかった。ふたりして、どれだけ歩いたろう。公園の中では、リスが目の前を横切っていった。明けて今日は、朝から雨。空気が暖かい。同じ停留所でバスから降りた人が、歩きながら鼻歌をうたっている。次の角で、すれ違った人もまた鼻歌。寒さも気持ちも、ふと緩んだかのような二月の一日。