日々雑感
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車で三時間。国境近くにある湖へ。
湖の上には小さな島がいくつか浮かぶ。船に乗り、その島々をめぐった。船着場で降り、葦のしげみを過ぎ、湖岸沿いをぶらぶらと歩く。陸に上げられた木製のボート、手入れすべく広げられた網、水辺の匂いのする村々だ。いちばん小さな島には修道院があり、そのすぐそばの食堂にて昼食。戸外にてビールを飲んでいると、鴨の番いがそばに寄ってきて何かくれとせがむ。
船には休日を過ごすために他の街からやってきた人の他に、買い物袋やビールのケースを抱えた地元の人も。隣りの席になった、三歳くらいの男の子を連れた老夫婦は、今日は孫と食事するためにあそこから下りてきたのだといって、湖面の向こうの山のほうを指差した。
帰りの車の中、だんだんと日が暮れて、丘の向こうに夕映えが広がる。一番星が出る。月がのぼる。薄青い春の夕景。助手席にてぼんやりとして、家まで送ってもらって、友人におおいに甘えさせてもらった一日。誰かといっしょにいる安心感を久しぶりに思い出した。
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