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2002年10月25日(金) ■ |
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[02.10.25-No.11] a whole new world |
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★★★留学初心者マガジン★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ★★★★★A★WHOLE★NEW★WORLD★★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★Vol.11★★★★★★★★
ほぼ月一発行なこのメルマガ。 いろいろ感じてきたこの8ヶ月。残りも少しとなり、 今回から帰国までの数ヶ月間に渡って 私なりの中国留学の総集編?をお届けしたいと思います。
楽しんで頂けるかはなぞですが、もともと趣味のメルマガ。 ここは言いたいことを書かせていただきます。 少しシニカルにシリアスに。
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★【第1回】 日本と日本人の肖像 ★
★★★★★★(1) 日本人(ribenren) ★★★★★★★★★★★★(2)人との距離
-------------------------------------------------------------------- 日本と日本人の肖像
ここに来て、なによりも改めて気付かされることが、日本や日本人とは何で あるかということである。私の留学先にいる日本人はごくわずかである。し かし、そんな少数であっても、本当に個性豊かで時に楽しく、時に苦悩する ことがよくある。外国に出てくると、日本という国がどういう国であるのか 、どういう国であると思われているのかがはっきりする。
(1) 日本人(ribenren)
中国人も含めた多くの人にとっては、やはり日本は経済的に豊かな国である というイメージが強い。
第一に日本人はやたら持ってくる荷物が多い。大きなトランクいっぱいに積 めて来たり、後から送ってもらったり。それはなんの意味?と思われるかも しれないが、重量オーバーしても持ってくる、航空便で送ってもらう、そん なことをするのはやはり先進国の人間なのである。航空料金、郵便料金に関 して、たとえ物価がどんなに安い国であろうとも、国を超えて送るとしたら 、それは世界共通の料金になる。大きなダンボール一つを日本から送っても らったところ送料は5000円ほどであった。しかし、この料金はここ中国 から送ったとしても同じである。5000円といえば日本ではアルバイト5 時間、人によれば1日で稼げるだろうし、5000円の消費はかなり容易く できるだろう。しかし、ここ中国では、毎月休みが2日しかないという美容 院のお兄さんの月収と同じである。但し、このお兄さんが大卒ではなかった りする面も考慮に入れれば、大卒でもっと大きな会社に勤めている人の月収 半分ぐらいにはなるのかもしれない。しかし、依然としてこの格差である。
中国での生活において、やはり外国人は裕福な生活を送っている。中国より もかなり低い経済水準の国から来ている人でも奨学金であれば、1ヶ月10 00元(約1万6千円)ほどもらっている。一般の中国人学生が1ヶ月5, 600元で生活していることを考えれば、留学生がある程度余裕をもって生 活していることは言えるだろう。もちろん生活にどのくらいお金を使うかに 関しては一概にいえない。個人差はかなり大きい。しかし、一般的にも日本 人だから生活費にやたらお金を費やしているということはない。だいたい他 の留学生と同じ人が大半だ。私が経済の面での余裕と考えるのは、自国のバ ックアップである。
私達はどこかでもしお金がなくなってもどうにかなるような感覚を持ってい る。送金はしてもらえる。そして、クレジットカードなども持っている。国 に帰ればよい。そういう考えをもって外国で生活している。しかし、中国人 や他の国の留学生の中に、そのような同じ安心があるとはいえないだろう。
(2)人との距離
ここの来てよく感じるのは人との距離感である。
中国人、他の留学生ともに知り合いであれば助け合いはむしろ日常のもので ある。困っている人がいれば、向こうから助けにやってきてくれる、少しく らいの面倒など彼等にとっては取るに足らないものである(過剰な時もある にはあるが・・・・)。しかし、積極的に助けに来てくれること、自国にい る時は親や一部の人にしか頼めないようなことをしてくれる彼等に対して、 日本人はこの人に裏があるのではないか、お金を取られるのではないかと心 配し、信頼ができない日本人にあった。その上、相手方が外国人であること も関係しているだろうし、助けてもらうのが恥ずかしいという日本人の精神 にも関係しているのかもしれない。
人に対する冷たさは日本でもよく感じ取ることができる。富というものが蔓 延し、戦後の助け合いの精神は崩壊し、自己を優先させる者が増えてきた。 90年代を境に登場してきた痛快という名の言葉などが過激化し痛みを与えて 楽しむバラエティー番組、些細なことからの理由無き暴行、いわゆる“キレ る”という言葉の出現から、見知らぬ者またはそれ以外に対しての深い係わ り合い、信頼をいうものを失いつつある。何を友達と呼ぶのか、それさえも 失いつつある。それに加え、日本人の中に存在する“恥”の精神が人に与え るべき親切や人と人との距離をより遠ざけつつある。
中国人は人の距離が近い。レジに並ぶ時も日本人的距離を開けば間にすぐ誰 かがひょいっと入ってくる。物を買うときもなにするときも人々と肩をぶつ け合わなくてはいけない。日本人には倦厭される部分の一つだろう。しかし 、その他、道を歩いたりするだけでも、やはり日本人より近い気がする。な んでこんなに人の距離が近いのか、なんでこの国の人はこんなにもくっつき たがるのか。その距離感に慣れるまでは中国人を理解するには難しいのかも しれない。人との距離をできるだけ開けたがる日本人にとってギブアップし てしまう人も多い。
中国の家庭は両親共働きが一般である。そういう家庭は子供を親に預けるの が一般的だ。そこには自分の兄弟の子供もいる。一方では一人っ子政策施行 後に出てきた小皇帝に自らの子をさせないための対策であるのかもしれない が、中国の子供達は学校に通い始めるまで何人かの子達と一緒に育つ。そし て、その後は、受験戦争の激化に伴い、子供のうちから全寮制の受験対策型 学校に入れられる子が増えている。そんな中、小さな頃から4人はたまた多 い時は8人一部屋で生活し、1人で居ることが少ない彼等にとって人との距離 は自然に近くなっていくのかもしれない。一般的な中国人家庭ではテレビは 一家に一台であるし、音楽もみんなで聞くものである。日本では、小さなう ちから1人でいることが多い。一人の部屋が与えられそこにはテレビやステ レオまでついて来たりする。一つの部屋の中で1人でなんでもできる。
人の親切に対する反応、人の距離に対しての嫌悪感はある種日本人特有では ないかと思う。人と触れ合うことが極度に少なってきた日本。それが人と人 の距離を離し、人の持つ暖か味を伝えにくくしている。
一方で、この辺は大いに私見だが、日本人は中国にいると一段とインターネ ット好きやVCD好きになる人が多い。VCDが海賊版で安いというのもあ るが、私から見るとたいして必要ではない物を安いからといって(無理に? )むさぼっている印象も受ける。日本にいる時、本当にそれは必要?と聞き たくなることもある。情報は口コミではなくインターネットで集める。日本 人には人との交流よりもそういう電子機械との接触を好む傾向ある。(と思 う。)
日本では値段交渉などいらないし、コンビニにいけば、日用品から雑誌、食 料品が1箇所に売っている。ATMでお金は降ろせる。ここ中国では、何を するにも人と接しなくてはいけない。それが日本人にとって面倒くさいとい う一言で終わってしまう。
この国に存在する多くの矛盾と納得いかなさは中国式に解決しなくてはいけ ない、私はそう思っている。それでは中国は変わらないという人もいるかも しれない。しかし、中国が日本と同じになる必要はない、これが私の結論で ある。
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今回もお付き合い、ありがとうございました。 初心者製作者、日々精進させていただきます。
なお、内容・記述に関しては素直に感じるままに書いたものです。 ご意見・ご感想は下のメールアドレスに頂ければ幸いです。
これからもローカルな土地武漢の情報を中心として中国の情報をお届けします。
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