DOTFAMILYの平和な日々
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2011年03月19日(土) 売名行為?

アメリカではハイチ地震の時に比べると東日本大震災への寄付の集まりが遙かに少ないそうである。理由はわからない。不景気のせいなのかもしれない。という訳で、あちこちで個人が寄付を募り始めた。日系人がやっているTシャツ屋さんが売り上げを全額寄付するキャンペーンをやっているとダンナがどこかのニュースで見て、「どれが欲しい?」と聞かれた。Tシャツは必要ないけど、お金が寄付されてTシャツが手に入る、というのは悪くない。必要無い物を買ってしまったという罪悪感に苛まれることもない。で、自分でゆっくり見てから考える、と言って自分のPCでその店のサイトを開こうとしたら、アドレスがわからなかった。で、検索したら・・・あるわあるわ、売り上げを全額寄付しますのTシャツ屋さん。

ダンナがニュースで見た店は、従業員達は自分の仕事時間以外にTシャツを作ったり発送したりの無料奉仕をしているそうである。買う方はTシャツを買っているのに寄付をした気分になる。そして、その店は宣伝になる。もちろん、オーナーは宣伝をしようと思っているわけではない。普通の人が寄付する金額には限界がある。だから、たくさんの人に寄付をしてもらえばよい。自分はTシャツを作って売っているのだから、自分の時間を使って寄付を募ろう!という完全に善意の人である。

アメリカではこういう行為は売名行為とは言わない。

さて、私が検索したら、そういう店がたくさんあった。同じようなことを考えた人もいたのだろうし、ニュースを見て「自分もやろう!」と思った人もいたのだろう。Tシャツだけでなく、他にもきっとたくさんあるに違いない。不景気だから多額の寄付をする余裕がない。でも、地震の被害は毎日のようにニュースで流れている。自分も少しでもお役に立ちたい。で、他の人が自分にもできそうなことをやっている。じゃ、自分もやろうじゃないか!そうやって善意の輪が広まっていく。

アメリカではこういう行為をマネとは言わない。

さて、日本在住のグラフィック・デザイナーであるアボカドバナナさんという人が、「赤十字に二千円以上寄付をしてレシートと写真を送ってくれたら、似顔絵を描きますよ」というキャンペーンをなさっていた。彼女のブログでそれを知った時、「偉いなぁ」とひたすら感心した。私は彼女と面識はないのだが、彼女のブログは長いこと愛読している。そこから察するに・・・彼女は金持ちではない。日々の衣食住には困ってはいないようだが、贅沢な生活を送っている人ではないようである。多分中産階級であろうと思うのだが、不景気時の中産階級の暮らしは決して楽ではない。それで、彼女の技術と時間(と材料費)を使って自分にできることをやろうと考えたのだと思う。日系人のTシャツ屋さんと同じく、完全に善意の人だと私は思う。

彼女の行為は売名行為である、という非難があったそうである。

一体、彼女の行為のどこが売名行為なのだろう?

できれば、そう非難した人に直接聞きたいのだが、誰か知らない。その人に対して怒っているわけではない。世の中には色々な考えがある。私は自分の考えを主張できる世の中というのが好きだ。私と違う意見を持っている人がいるのは当たり前だし、その人の意見も理解したいと思う。純粋に知りたいのだ。

私が被害者だったら、どのような目的で寄付された金であっても、そのおかげで飢えや寒さを凌げれば感謝する。売名行為であろうが何だろうか、生きるか死ぬかの瀬戸際には関係ない。まして、どう考えても善意からとしか思えない名も知れない人からの寄付なのである。非難する理由は無いとしか思えない。

私は日本を離れてから長い。日本にいた時から常識や礼儀というもの欠いていた。当時は「そんなもの関係ねぇよ」と思っていたのだが、この歳になってやっと、「やはりそれじゃいかんのではないか」という気がし始めている。だから知りたい。

どなたか、説明して下さい。お願いします。


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