DOTFAMILYの平和な日々
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2011年03月28日(月) |
片付け読書ノート18: 量刑 |
夏樹静子著 光文社 2001年6月25日初版第1刷発行 ISBN4-334-92334-8
久々に読みごたえのある本。それでも途中で飽きさせずに一気に読ませるところは、さすが夏樹静子である。
実は、帯に「裁判官を苦悩させる誘拐事件!」「ミステリー大作1300枚」と書いてあったので、誘拐ミステリーが嫌いな私は読み始めるのをためらっていたのだ。多分、私の「ミステリー」という言葉の定義が間違っているのだろう・・・
「ミステリー」と聞くと、「謎」と思ってしまう。「謎」は大好きだ。推理小説のように犯人を推理する謎でも良いし、現実にはない謎を理屈をつけて説明してある小説でも良い。「そんなことあるはずないじゃないか!」とか「納得がいかないぞ!」と最後に思ったとしても、それなりに解釈があれば満足する。でも、誘拐物に謎があることはめったにない。犯人は最初からわかっている。問題は、いかにして誘拐事件を解決するかである。これは「ミステリー」ではなく「サスペンス」ではないかい?
実は「サスペンス」も嫌いではない。最初からサスペンスだと思って読めば楽しめる。ただ、ミステリーだと思って読んで、そこに謎がないとがっかりしてしまうのだ。
で、『量刑』。サスペンスだった。謎は無いがハラハラ・ドキドキさせられた。私が知らない裁判や法律の知識なんかもちりばめられていて、中々良い。こういうペダントリー(というと言葉が悪いか?)が入っている小説も結構好きなのだ。だから、最後まで楽しく読めた。
でも「えええっ、そうなるの?」という驚きは全くないので、「ミステリー」とは書いて欲しくなかったな。
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