「ユミがタカシにコクったとか言ってんのー、アタシ、マジびっくりってカンジー」 「うっそ、マジマジー? 先にコクったのはアタシのほーだしー。なんかそれって横取りってカンジで超カンジ悪くない?」
最近耳にしたギャルどもの会話。ヤツらは、この言葉をこんなふうに使う。そう、「コクる」=「コクハクする」っちゅーことなんだな。想像するに、この「告白する」とは「真っ白な心のうちを告げる」が元なんだろう。転じて異性関係の話題においては、「相手に対する好意を本人に伝える」というような意味でよく使われる。
この「告白する」という言葉にはなにかとても清くて切ない響きがある。個人的には、なんとなく学生服の匂いがする言葉だと思っている。なんとなくイメージとしてね。読者のみんなも、「告白」をした経験が思い出の中にひとつやふたつあるに違いない(もしかしたら、伝えられなかった思い出もあったりするかな?)。
なのに、なのに最近のバカどもときたら……。次から次へ、あっけらかんと、まるで息をするのと変わらないかのようにいとも簡単に「コクり」やがって、ったく。昔なんかケータイないから、家に電話かけて相手の親父さんに電話取り次がれたりしてたんだぞ(怒)。
そーじゃない。 そーじゃないだろ、「告白する」ということは。
だから、短縮コトバが結構好きなmayugeも、この「コクる」だけは認めない。
「この人に俺、惹かれている」という漠とした気づき。自分の気持ちを確かめるため行われる、いくつかの作業。言い出し方のリハーサル。過呼吸になりそうなほどの深呼吸連発。二人で歩きながら言い出せず、気付いたら家とかまで着いちゃったり。よくあるのが「じゃあ、またね」なんて言われて、「ん、あ、また……」と振った自分の手を見て、「何やってんの?」っていう独りツッコミ。今日こそは!とガチガチに気合入っている割には、最初の言葉を口にした後、意外と噛まずに言えちゃったり。ちょっとびっくりしつつも、頬を赤らめる相手の顔を見て、ものすっごく期待したり。一人になって感じる「俺、言っちゃったよ(汗)」というはずかしさと「お前、よく言った」と自分を褒めてやりたいほどの充実感。そして返事を待つとき。「あー早く聞きてー。でも怖えー、返事。」期待と不安の入り混じった感覚。「こっちから連絡しちゃっていいんかなー?」「いやまだ早い」「でも聞きたいよな」、「いや、それはきっと迷惑だよ、まだ。よく考えて返事して欲しいし」なんていう、女々しい堂堂巡り(「んなもん、時間与えちゃダメっつーのがセオリーだ」と言う人の顔が目に浮かぶ)。とかとかとか―――。
なかった。
ここしばらくなかった、こういうの。昔に比べて、毎日いろいろな「考えるべきこと」ができ(時にはキャパ以上の)、恋愛することの優先順位がかなり低くなってきていた。しかし、それは突然やってきたりもする(実は徐々に始まっていたのかも知れんが)。純粋に「この人に会いたい」とか「声が聞きたい」とか、さらには「心のパートナーになりたい」とか思えること。これはなかなかないぜー、マジで。こういう気持ちって、いくつになっても持てるもんなのかな? ある程度大人になると、くだらないとか考えるのかな? やや自覚症状があるけど、やっぱり俺はいまだにガキなのか?
でも少なくとも27歳を迎えようとしている今、その感覚を再び感じられていることを自分としてはとてもポジティブに受けとめてたりする。
いーだろー。 (結果はどーあれ)
さて、あなたは最近「告白」をしましたか?
2000年07月26日(水)
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