ラケットを手に、相手のサーブを待つテニスプレイヤー。極上のパンチを繰り出そうと、相手の隙をうかがうボクサー。「俺のところに飛んでこい」。そう念じて、守備につく野球選手。
彼らには共通点がある。皆、中腰の姿勢なのである。理由は簡単だ。次の動きに備えるには、その姿勢が最適だから。つまり中腰というのは、次に起こることに素早く反応して、最高のパフォーマンスを生み出すための、最適の状態なのである。
前後左右、どの方向へ移動するにもいい。ターン、ジャンプ、スライド、ダッシュ、どんな動きにも対応できる。中腰は、その出発点なのだ。
共通点は、実はもう一つある。中腰で構える彼らの頭のなかには、成功のイメージがあるということだ。時速200キロのサーブを鮮やかに打ち返す。絶妙のカウンターパンチで相手をマットに沈める。流れるようなグラブさばきで打球を処理する。
さあ、「卒業」も間近。編集の道へ向け、僕も中腰でありたいと思う。
2004年04月07日(水)
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