NHKよるドラ『もっと恋セヨ乙女』を、深夜の再放送で観た。
真中瞳が久し振りにカワイイ。佐藤藍子がすっかり「女」になっていてびっくり。ついでに、山口あゆみが艶っぽい。まあ、そんなことはどうでもいい。このドラマは真中演じる主人公が恋をしまくってはフラれる、という話らしいのだが、僕が見た回では、彼女はとある路上詩人の男の子に恋をしていた。
路上詩人というのは、簡単に言えば「ストリート系相田みつを」。道端にござを敷いて、希望者に筆でオリジナルの詩を書いてあげるわけである。もちろんそれは、ほんのりと癒してくれる詩だ。その彼が真中に書いてあげた詩が、こうだった。
「大丈夫 助走が長ければ長いほど きっと高く飛べるから」
なるほど。で、真中はサクッと恋に落ちたわけだ。おいおい、である。『冬ソナ』放送中のNHKとはいえ、あまりにもベタ。透けて見える「癒し」というコンセプト自体が散々使い古されているだけに、ちょっと引いてしまうところもあったが、一方で思い当たることもあった。
「あ。でもこれ、俺が買った本と『同じ』じゃん」
そう、最近何気なく買った本が、言ってみれば「路上詩人」的な内容だったのだ。その本とは、絵本『男のたしなみ』(扶桑社・税込1,200円)。1ページが1枚のカードになっていて、それぞれにオトナが人生を生きていく上での「教訓」のような言葉が記されている。
それぞれの言葉には、イラストが添えられている。「タイツくん」という、頭から全身タイツをすっぽりかぶった“もっこりキャラクター”の2人組(ピエールとジョナサンという名前がついている)が、苦汁に満ちた「オトナ生活」のひとコマを切り取っているのだ。この「タイツくん」というのは、イラストレーター高橋潤の「ちょっと暑苦しい熱血キャラクター」で、『Tarzan』誌上などでも活躍しているので目にした人もいるかもしれない。
とにかくこの「思わず首を縦に二度振ってしまう言葉」と「ペーソス溢れるイラスト」で、一枚一枚笑わずにはいられない。登場するキャラクターたちが微妙にリアルなのもいい。真面目で一生懸命なタイツくんたちを見ていると、思い詰めた気持ち、凝り固まった脳が解き放たれる。そして百二十枚のカードを一気に読み終えたとき、何ともいえない「脱力感」が心地よく全身を包んでくれるのだ(やや大袈裟)。あー笑った。
つまり「心に効く言葉」を求めたという点では、無意識に僕が手にしたものは、件のドラマのなかで真中瞳が求めたものと同じだったわけだ。立場を変えて考えれば、作り手はまだ「癒し」でいけると踏んでいるということ。
言葉自体は聞き飽きても、「癒しニーズ」はまだまだ続きそうである。
まかせると 言ったからには まかせなさい。
やらせないなら タダめしは2回まで。一万円まで。
死ぬまで がんばるな。
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カネのないとき 伴侶を探せ。
「釣りはいらない」は 500円以上で。
手放すのは惜しいが、持っててもつまらない。
売り惜しんで 期限切れ。
恋のはじまりは 多少不自然でもよい。
時どき人生を 語ってもよい ことにする。
演技も マナーである。
騒ぐ奴 辞めない。
高橋潤・松岡宏行『男のたしなみ』(扶桑社刊)より抜粋。タイツくんのウェブサイトはこちら。
2004年06月12日(土)
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