■■■
■■
■ 報道と事実
今日はミスターこと長嶋茂雄さんが東京ドームに 来た。おかげで報道関係者は大忙し。普段の数の 倍近くはいたと思う。なんだかな。
ファンの声を取材していると、「ナガシマさんが 復帰されてすごくうれしい」という人もいれば、 「特にナガシマさんが来るから、今日来たわけで はない」という人もいる。当たり前だ。 みんながみんな、ナガシマさんの熱狂的なファンの わけがない。
それでも、記事を書くときは「ファンは長嶋氏の 復帰を喜び、大きな歓声を送った」となってしまう。 「特に意見はない」という意見は、全く排除されて しまうのだ。そんなのは「ネタ」にならないし、誰も そんな文章は求めていないからだ。
報道は、エゴでもある。
色々な事実から、受け取る人が面白い・興味を惹かれる と感じることを予め予測し、それに適した事実を抽出して、 記事を書いたり映像を撮ったりする。 それは全く間違ったことではないけれど、受け取る側は それに気付いていなければならない。
あしたの紙面は、ナガシマさん一色だろう。でも、日曜の 東京ドームに足を運んだ人たちの数は、5月3日の巨人− 横浜戦の4万5千人を下回る、4万3千人だ。
「国民的ヒーロー」の人気は、ゴールデンウィークの行楽 以下。それが、今日の事実だ。
2005年07月03日(日)
|