ラズベリー日記

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2003年07月13日(日) 「四谷怪談忠臣蔵」歌舞伎座7月夜の部

歌舞伎座へ行く前に日本橋の高島屋で開催されている「歌舞伎四百年展」に行って来ました。なんといっても目を引くのは歌舞伎の衣装。4月に観たばかりの夕霧のあでやかな衣装に目がくらみ、粗末とされている伊左衛門の衣装も間近で見ると結構手が込んでいたり(^^;)「暫」の有名すぎる衣装のあまりの大きさに「これをまとって舞台を動き回るのか?」と考えると役者の体力は半端ではないことがわかり。「白浪五人男」の衣装がそれぞれの個性にあわせてデザインされているのがわかり。。。とにかくあっという間に時間が経ってしまいました。
14時からの歌舞伎キャスター(イヤホンガイドでもおなじみ)小山顴翁氏の講演会に参加。今年がなぜ歌舞伎四百年といわれているのか?というところからわかりやすく解説していただき、江戸時代の富豪の芝居鑑賞スケジュールを楽しく語って聞かせていただき(3日がかりでの鑑賞だったそう!)あっという間の1時間でした。
会場を後にしてから地下へ行きお弁当を購入して(いろいろあって迷った!)歌舞伎座へと向かう。

そして行って来ました!今回の席は端ながら1階席2列目!舞台のあまりの近さにドキドキ。
元々「四谷怪談」は「忠臣蔵」の背景をかりて創作された物語。この2つのストーリーをミックスしての通し狂言。思えば初めて観た歌舞伎の演目が「東海道四谷怪談」だったなぁ。もう十数年も前のことだけど。

歌舞伎の舞台って「派手」という印象があるんだけど、今回の舞台はその中でも特に派手な方だと思う。なんといっても大詰め滝のシーン。10トンもの本物の水を使用して滝を登場させてしまう猿之助の演出。これに応える大道具の技術。この滝のシーンはとにかく圧巻で私は未だかつて(現代劇でも)こんな舞台観たことないくらいの迫力。
猿之助演ずる怪盗、暁星五郎の宙乗り。ジャニーズのコンサートでおなじみの宙乗りの元祖は歌舞伎にあり!?

「四谷怪談」といえば伊右衛門とお岩。欲に目がくらみ妻であるお岩を裏切り死に至らしめる。お岩の亡霊に翻弄され罪を重ねる伊右衛門。これ以上ないくらいの悪人なのに何故こんなにも魅力的なのだろう?
今回伊右衛門を演じたのは市川段治郎。背中に棒でも通しているのか?というくらいの姿勢の良さ。上背もありスタイルの良さも際だち。文字通り顔色かえずに悪事を重ねる悪人ぶり。なのにゾッとするくらいの色気を漂わせる。2列目の特権?義理の母を堀に蹴り入れ殺害するシーンでは殺意を押し殺しながら(でも殺意が溢れている)一歩一歩歩み寄る段治郎の伊右衛門を堪能しました。私はこの時の伊右衛門がこの舞台で一番怖かった。役者ってすごい。。。


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ちか [MAIL] [ラズベリーピット別館]



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