2003年08月12日(火) |
「牡丹燈籠」「団子売」 |
歌舞伎座第二部。 怪談「牡丹燈籠」。怪談とは言えども背筋ゾクゾクのシーン以外にも笑えるシーンあり。 憧れの人に恋い焦がれて死んでいったお露(中村勘太郎)が乳母と共に幽霊となって憧れの人、新三郎(中村七之助)の元へと通う。幽霊のヒンヤリとした雰囲気が出ていた勘太郎さんも若々しい二枚目侍役の七之助さん兄弟もよかったけど、乳母役の中村吉之丞さんがとにかくすごかった!声は通るし、脇役と言えども存在感抜群。幽霊となって登場しても本物?と言うくらい妖しげで幽霊っぽい。もちろん照明さんの光加減とかもあるけど、ものすごい人だなぁ、と注目せずにはいられませんでした。 舞台替えのちょっとした空き時間。1階席後方から牡丹燈籠をもった黒子さんが客席を漂いました。観客の頭上をうっすらと通り抜けるたびに「ひゃ〜!」という悲鳴。これぞ怪談ですなぁ。 お露と新三郎のストーリーと平行して進む伴蔵(板東三津五郎)と妻お峰(中村福助)のコンビもすごかった。福助さんのおっとりとした容姿からは想像できないくらいのチャキチャキな女房役。「きゃぁぁぁ〜!」というセリフのリアルなこと。 そしてラストの雨中の絡みのシーン。舞台に本物の水を使用して再現した雨のシーン。一階席後方で観ていたのですがとにかく美しい。絵画的というか雨がセットの一部ですね。それぞれのシーンごとに決める見得も美しい。計算し尽くされ完成された芸術品。ゾクゾクきました。
「団子売」 中村勘太郎、七之助兄弟による舞踊。団子売りの夫婦が息のあった踊りを披露します。 先日のトークショーで「楽しい踊り」と称していたお二人。臼に杵がうまく乗らなくてもご愛敬。ニッコリ笑って杵を乗せなおした勘太郎さんが印象的でした。本当に舞台に立つのが楽しくて仕方ない兄弟なんだなぁ、というのが伝わってきた一幕でした。
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