国立劇場へ。7月「四谷怪談忠臣蔵」以来の猿之助歌舞伎。今回もすごい舞台装置で圧巻。骨寄せ(バラバラな骨が寄り集まって一体の骸骨を形成)や屋台崩し(舞台上で家が土台から崩れていく様を表す)や火事のシーン。もちろん舞台上で実際に燃やすわけにいかないけど、本当に燃えているかのような迫力。屋台崩しは2回あったんだけど!2回目には今までに見たことのない迫力とサイズの骸骨。舞台に平屋の一軒家があって、その屋根を丸抱えにする骸骨がいるって、想像つきますか?しかもその骸骨が最後には砕ける。更にラストの立ち回り。ハシゴを使ってのダイナミックな演出に思わず拍手。市川右近の見せ場ですね。もちろん立ち回りには脇を固める役者さんの存在は欠かせないけど、今回はすごかった!特に度肝抜かされたのが花道から舞台にいる役者さんに刀を投げて渡すシーン。「え?え?え?まさか!」って思っているうちに花道から刀が投げられ本舞台の役者さんが見事キャッチ。すごかった〜!ボールのような球状のものと違って細長い刀でしょ。可能なのか?でもちゃんとこの目で見たしな。夢ではなかったです。お見事。 もちろん宙乗りあり。今回は宙乗り見るには最高の席だったので感動するら覚えた。紀名虎の亡霊という役どころだったのでその迫力がものすごい。あの恨みというか野望を抱えた表情は寒気を覚えるほど迫力。しかも宙につられながら。すごい。 二幕目(中盤)の春日村のシーンは実子の首を忠義のために落とすというものすごい場面。この辺はまさに歌舞伎だなぁ。宙乗りや立ち回りのような派手なのも歌舞伎。親子や上下のつながりをじっくり見せるのも歌舞伎。この2つがじっくり味わえた今回の舞台、満足です。
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