闇鍋雑記帳
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1970年07月09日(木)

09.13

夕べは殆ど寝られませんでした。

あの子の遺骨のある寝室に行くのが嫌で、一晩ネットに依存していました。
でも、午前5時前に、もう耐えられなくなり、ようやく眠りにつきました。
7時20分頃、プニ坊が起きて来て、シンケンジャーを見に、リビングに行きました。
それからも、ずっとウトウトという感じで、プリキュアの後半くらいで、のろのろと起き上がり、食事の支度をしに行きました。

吐きそう。
気分が悪い。
頭痛い。

だけど、そんなこと言っていたら、家族の胃は満たせません。
食事の準備をして、夫の起きてくるのを待ちました。
皆で食事をしましたが、あまり食べたくありません。
暫く、洗濯物をしたり、掃除をしたりと、ごそごそと家のことをしておりましたが、夫が、午後から葉山の海に行こうと提案してくれました。

あれから、親とも電話したくないし、誰とも会いたくない。そんな人払い状態が続いているわたくしが、外に出られるだろうかと思いましたし、あまり気も進まなかったのですが、思い切って行ってみることにしました。

県立現代美術館の有料駐車場に駐車し、海岸に降りました。
低気圧が近づいているのか、ものすごい波です。
でも、天気は良く、暑いくらいで、かなりの人が波に揉まれて遊んでいました。

海岸べたを歩き、時々プニ坊に頼まれて貝を拾ったり。
それ以外は、ゆっくりと座って、辺りの景色をぼんやりと眺めながら潮騒を聞いておりました。
不思議なことに、あの子の事は全く頭の中に浮かんできませんでした。
何もかも。頭が空っぽになって、ずっと馬鹿みたいにただ海を眺めていました。
そのおかげなのか、少し気分が上昇してきた気がしました。
前向きになるには、まだまだ時間がかかりそうですが、ほんの少しでもなんとなく気分が上向いてきたのは、収穫でした。

夫にそのように伝えると、「海、良いでしょう。また来ようね。」と言ってくれました。

ありがとう。

ありがとう。

あまり気の利く人では無いけれど、不器用でも心配してくれているのはよく分かります。

家に戻って、夫と子供の寝てしまった後、あの子の骨壺の入った包みをそっと胸に抱きました。

昨日までのように、涙は出ませんでした。


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