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目次 + 過去 + 未来

   2005年06月02日(木)  +  記憶。   

私は「思い出がいちばん大切な宝物」とか
「記憶をなくしてしまったらもう終わりだ…」
などと言っているわりに、過去のことをあまり覚えていない。

断片的に覚えている記憶は変な記憶ばかり。
今となっては重要であろう出来事の記憶はほとんどない。
基本的に嫌なことは寝て忘れようとするし、
いいこともさほど脳には引っかからないらしい。

過去を引きずって生きているような気でいたけど、
そう考えるとそうでもないみたいだね。
つらい記憶も、悲しい記憶もそんなに鮮明には思い出されない。
ときどき、ふとしたときに出てくることはあるけど、
それは失恋だったり、甘美で切ない思い出にすぎない。
トラウマ、と呼ばれるような記憶はほとんど出てこない。
だから、トラウマを抱え、心を閉ざしたり、
心に影を落として生きている人の気持ちは完全には理解出来ない。

でも、私みたいに思い出の中の美しい幻想にとらわれてるのも、
過去のトラウマが離れず、苦しむのも、
記憶に翻弄されていることに変わりはないよねぇ。
よりどころにしている方向がそれぞれ違うだけで。

ってことは、方向転換ができればなんとかなるのかしら?
それは本人次第なのかなぁ、やっぱ。
私はただ、彼が過去に翻弄されているのが気になるだけなのです。
しかもつらく悲しい嫌な記憶ばかりに。
幼少期にそんなことがあったなんて私は知りません。
違うな、私は覚えていません。記憶にございません。

もうちょっと違う方向に向けたらいいんやけどね。
ネガティブな私よりさらにネガティブな君へ。




流南

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