月の輪通信 日々の想い
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2003年08月16日(土) 踊り明かそう

晴天のもと・・・とはいきませんが、昨日雨で中止になった私市(きさいち)の盆踊り大会の2日
目。

「今日こそは、降ってもやるぞ」の勢いで、始まりました。

空模様を見ながらの進行で、模擬店の開店も、踊りの開始時間も少しづつ前倒しになり、大忙
しの一日でありました。



3時開店予定の模擬店。

2時過ぎには、消防団の作るいか焼きのいい匂いが漂ってるし、隣ではすでに紙コップのビー
ルで一杯機嫌のおじさん達。

「お客さんも来てることだし、順次開店してOK!」

このおおざっぱさがムラの祭りの面白さなんだな。

曇天で、売れ残りが心配されたかき氷も踊りが始まる頃には完売。

綿菓子も、機械がヒートして「ボン!!」っていうまで売り尽くして、大繁盛でした。



夕方から、そろいの浴衣に着替えて、盆踊り大会。

本物の河内音頭の歌い手さん(?)を呼んで、10時までただひたすら踊り続けるというムラの
盆踊り。

そのために事前に、2日も全員参加の踊りの稽古やら、浴衣の着付けの稽古やらに出席しな
ければならないと言う今時珍しい体育会系の踊り子さん達。

浴衣の下駄も、可愛い塗りの下駄ではなくて、ゴム草履タイプの踊り用の草履をどこやらで調
達してくる人が多くて、とりあえず、夜通し踊り続けるのであります。(おかげさまで私も40才に
して初めて、炭坑節をマスターしてしまいました。)

普段、背中を丸めてシルバーカーを押していそうなばあちゃんも、スーパーのレジのパートの
おばちゃんも、昔取った杵柄でばんばん踊っていて、休むことがない。

早いテンポの曲になっても、ざわざわとたじろぐのは子供会の若いおばちゃん達で、婦人会や
老人会のおばちゃん達はひらりひらりと身に付いたリズムで、踊りこなしていく。

とちゅう小雨がぱらついても、誰も踊りを中断しない。

むしろどこかのロックスターの野外コンサートか、雨中のラグビーの試合のように、ますますヒ
ートアップしていく踊り子達。

まことに、体育会系のハードなダンスタイムでありました。



「ムラパワー恐るべし。」

何度も何度も、回数を重ねたおじちゃんおばちゃん、おじいちゃんおばあちゃんの驚くべき情
熱に、半ば感動。

にわか仕込みの私などは息も絶え絶えで、なんとか最後まで踊る事が出来たのだけれど、ベ
テランさん達は、まだまだ踊り足りないというような上気した笑顔。

長年、当たり前の年中行事として踊りに参加してきた「地の人」達の底の深い豊かなパワー。

古くからのしがらみやらつきあいの難しさやら、とかく敬遠されがちな「ムラ」意識。

なかば時代遅れの象徴のように嫌われがちな「ムラ」ではあるけれど、現代のさらっとした、当
たり障りのないご近所づきあいでは味わうことのない確実な力のような物を感じる事が出来た
気がする。

やはり、地面にしっかり根っこを下ろして生きている人たちの力は、強いのだ。

「地の人」たちのはじっこに、ちびっとかじりつかせていただいた新参者のオカアチャンは、さわ
やかな感動を頂いて、(くたびれはてて)家路をたどったのでありました。






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