月の輪通信 日々の想い
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2003年10月26日(日) 女学生

午後から、子ども達と一緒に父さんの3人展を見に行く。

全員集合で電車の移動は久しぶり。

とはいうものの、3時にはオニイがクラブの用事で戻ってこなくてはならないので、会場には「タ
ッチ」するだけの強行軍。

はてさて。



アユコ、朝からお出かけ服でスタンバイ。

普段、ジーンズにTシャツかトレーナーのボーイッシュな格好の多いアユコがちょっと短めの女
学生のようなスカートをはいた。

先日、東京のおじさん(私の弟)から頂いた紺のベストを合わせると、5年生のアユコがにわか
中学生の趣。

「ちょっと、ネクタイでもしてみ。」とオニイの卒業式の時のインスタントのネクタイを着けてみる。

あ、ほんと、中学生だ。

かわいい・・・。



短いスカートからにゅっと伸びた子馬のような足。

母と違ってスリムなアユコには、制服スタイルのきっちりした格好がよく似合う。

「ルーズソックスなんて悪名高いと思ってたけど、アユコぐらい細いと結構似合いそうねぇ。」

見慣れぬスカート姿に父も母もちょっと興奮。親ばかモード、全開。



普段、はかないスカートにちょっと照れてるアユコ。

この数ヶ月で急に背丈も伸び、大人びた表情を時々見せるようになってきた。

女の子の成長の節目を一つ越えて、また一歩大人に近づいていくのだなぁ。

これから、どんどん大きくなり、いっぱいおしゃれしたり恋をしたりして、美しくなっていくアユコ。

40歳になって、肉体的にももはや下りの坂道ばかりが見えるようになった母にとっても、娘の
まぶしい成長は「うらやましい」でも「ねたましい」でもなく、愛しい大事な一こまなのだ。



登校前の忙しい朝食の時の事。

朝の仕事を終えて、父さんが遅れてかえってきた。

「わ、タイミングわる・・・」

ちょうどアプコのお弁当のおにぎりを作ろうとホカホカご飯を手のひらにのせたばかりだった。

「父さん、ご飯ちょっと待ってね・・・」

と言おうとしたとき、先に食事をとっていたアユコがすっと立ってきて、父さんのご飯とみそ汁を
黙って用意してくれた。

「ああ、アユコ、グッドタイミングよ。ありがとね」

父さんがさっそく朝食の席に加わる。

「アユコはきっといいお嫁さんになるよね。父さんもアユコみたいに気が利くお嫁さんをもらいた
かったでしょ?」

ふんふんと笑ってお茶を濁す父さん。

悔しいので、オニイとゲンに、「アンタ達はしっかりといいお嫁さんを選びなさいよ。」とハッパを
かける。

父さんはもう手遅れだからね・・・・。



アユコがきまじめな制服で中学生になる日。

始めての口紅をつける日。

そして、大事な人のためにみそ汁をつぎ、白飯のお茶碗を手渡す日。

久々に見せたアユコのスカート姿に、数年後、十数年後のお嬢さんの姿を、ついつい思い浮か
べてしまう母でありました。




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