月の輪通信 日々の想い
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2003年11月12日(水) 逃げ道/女心

いつも寝起きの悪いアユコだが、今朝はまた格別機嫌が悪い。

なんだか、ぐずぐずしていて、らちがあかないので、

「今日は学校いっぺん、さぼってみる?あ、そうか、給食、カレーだからさぼるわけにはいかん
ね。」

と言ってみたら、アユコの目から大粒の涙がぽろぽろとこぼれた。

あらら、ホントにおさぼりしたい心境だったらしい。



昨日、自習時間に友達と一悶着あったらしい。

ケンカというほどではないけれど、何かいやなことを言われたようで、なんとなくいやな気分を
引きずっているようだ。

「いいよ、別に休んでも・・・。

アンタはいつも、いっぱいいっぱい頑張りすぎるから、たまには、さぼってみてもええよ。」

ぶんぶんと首を振るアユコ。

優等生だからね、さぼるなんていうわけないよね。

それを知っていて、ズル休みを勧めるオカアサンこそ、ずるいというもんだ。



結局、アユコはぐいと顔を上げ、自分で涙を拭って登校していった。

そうだろうと思ったよ。

アンタは決して逃げない。

つぶれるまで逃げない。

その息詰まるようなまじめさに風穴をあけてやろうと、母は時々、逃げ道のドアを大きく開いて
待っているのだけれど・・・。



そんなこんなでバタバタしていて、今朝もアプコの髪を結うのを忘れた。

小さな三つ編みを二つ作り、その日の気分で小さな飾りを着ける。毎朝決まった習慣なのに、
昨日に続き、二日も忘れた。

「大急ぎでやろうか?」

と、聞いたら、

「いいよ、髪の毛、くくってない方がかわいいよって、Y君が言うから・・・。」

「わぁー、そうなの。じゃ、くくらない方がいいね。」

Yくんは、年少組の時からのクラスメート。

以前は、「Yくんは、○○ちゃんが好きだから、アタシとは遊ばないの」と言っていたのに、どう
やらYくん、最近フリーになったらしい。

「アプコはY君のこと、好きなの?」

と聞いてみたら、のらりくらりと話題を逸らして答えてくれなかった。

ちくしょう、むちゃくちゃかわいいぜ、幼稚園児の恋。












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