ボクハウソツキ  -偽りとテレコミの日々-
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2002年07月25日(木) お盆

今年もお盆の時期だ
駅ロータリーのすぐ脇、やるき茶屋のカウンター
同僚の、銚子沖で漂流(仮名)と夜メシを食べに入っていた。

シバ、オマエは墓参りいったか?

あ?ああ、今年はまだだ

それはいかんな、本来7月に行くものだが8月でもいいから行け

なんでこんな場末の居酒屋で説教食らってるのだろう
しかもこの男は口でいうほど常識的な人間ではないのだ
でもおもしろいから話を続けていた

それでもいちおう毎年行っているんだ

それは当然の心がけだ

毎年、違う女と行っている

ぴくっ 銚子沖で漂流(仮名)が最後の言葉に反応する。

テレコミ女にかぎらず、落ちにくそうなのがいるとするよな

ああ、と身を乗り出す銚子沖で漂流(仮名)

そんな女を墓参りに連れていくんだ

え、それって逆に引かれないか?それと墓の場所まで知られていいのか?

そこはうまくやるんだ。
まず墓はどこでもいい。関係ない墓地に使っている偽名(本名でもイイ)と
同じ名前の墓をリサーチしておき、そこを使えばだいじょうぶだ。
まあ、本命や身元がバレてる相手なら本当の墓でもいいだろう

なるほど、罰当たりだがそれなら関係ない場所だな。でも女は引かないのか?

さっきまでのモラリストはアルコールで溶けてしまったようだ。話を続ける。

まあ聞け。別に「墓参りに行こう」って言うわけじゃないんだ。
偶然、近くを通りかかったフリをする。あくまで偶然
「あ、そうだ。悪いけどちょっと寄ってくとこがあるけどイイ?」
クルマを墓地付近のできるだけ寂しい所に停めるといいな
まあ、たいていの女はクルマの中で待たないで一緒に着いてくる
リサーチした物件の前で寺で購入した線香をあげるんだ
必ず女は聞いてくる「誰のお墓なの?」
コレを聞いてこない、またはクルマで待ってるような女は即放流だ

はあはあ、それで?

遠くを見るような目で答える。目でする演技は重要だ
「あそこにはおふくろとオヤジが入ってる。おやじは×年前だが、
 おふくろは△才の頃他界したのであまり記憶ないんだ。ふっ」
「ごめん、悪いこと聞いちゃったね」
「いや、こっちこそ湿っぽいところ見せちゃったね。やめやめっ」
って、「無理して明るく振る舞ってるフリ」をする

これで決まりだ。この作戦の優れている点は3つのアピールが同時にできるということ
●小さい時に母親を亡くして愛情に飢えているアピールが母性本能をくすぐる。
●普段の明るさの影にそんな孤独をかかえている。が明るく振る舞っている。
●墓参りにまで連れてきてくれるほど、自分を大切にしているという「誤解」
これで一気に親密になれること間違いなしだ。相手によっては地雷化する危険もあるが

げ、外道

よけいなお世話だ。ならお前は真似するなよ、8月とか。

ぎくっ ばばばばかなことをいいいうんじゃないよ。するわけないだろ。


その後、ヤツはリサーチした墓の前で女連れの時に「本当の遺族」と鉢合わせして
えらい目にあったそうだ。だからといってボクを非難するそんなところが
ヤツの楽しいところなのだ。


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