朝、いつもどうり、起き抜けでぼーっとしたまま あたしはテレビを見てた。 ああ、そうだ。メールチェックしないと。
8時前に新しい携帯と古い携帯のメールチェックをする。 新しい方にメール1件。昨日たくさん番号変更のお知らせをしたから そのレスかなと思って見てみる。
おはやうござひます。
あ。masayaだ。7時13分。 急いでレスを返す。
おはやう。もう稼動ですか?寝てるの?眠ひ?
昼から稼動だよ。起きてるよ。
逢いたいです。
何時にどこだ?
覚えてたんだ。こないだ木曜日くらいって、masaya言ってたけど 昨日は打ち上げだったし、今日はあたしはてっきり無理だと思ってた。 だから、すごく嬉しくて。
慌てて支度を始める。 シャワーを浴びて、着替えてお化粧をして。 目標は8時45分なのに、間に合いそうもない。
そういうあたしを見透かすように、masayaは約束時間に着くよりも遅目に家を出たよう。 やっと支度が出来て、すぐに電話をかける。 まだ、途中みたい。良かった。 ほんとは、まだ戸締まりとかちょこちょこした事をすると 後10分はかかるもの。
玄関を出るとすぐに、新しい携帯にメール受信。どうやら着いたみたい。
小走りに待ち合わせ場所に行って、雑誌を立ち読みするmasayaの顔を見てから あたしは缶コーヒーをひとつ買う。 車に乗り込んで、どうするどうする?笑。
masayaくんに任せます。
って言われてもだなぁ。うちはもうヤなんだよ。今すごい散らかってて。 なんていうか、気が滅入るんだぁ。
masayaはそう言って笑う。 仕事忙しいもの。散らかってても仕方ないよね。
ゆうちゃん何時に帰ればいいの?
12時には帰りたい。時間ないね。
結局近くのファッションホテル。 こじんまりとしてはいるけど、【今どきホテル】 前からmasayaと行きたかったし。ほら、あたしたちいつも探検だから。笑。
部屋が清掃中で待ち合い室でテレビをみながら待つ。 ワイドショーをやってて、結構面白い。 masayaはロビーをふらふらして、どこからかホットコーヒーを持って来た。
そんなのあったの?
あったよ。だからふらふらするんだよ。
部屋に入ると、フローリングの床に可愛いベッドカバー。 いつもの探検とは大違い。 浴室もジェットバス。
ねぇ。泡アワしようね。
そう言いながら、あたしは浴槽にお湯を溜める。 masayaはワイドショーの続きを見ながらベッドに座ってコーヒーを飲んでる。 けっこう内容が面白くて、あたしも一緒になって笑いながら見る。 あたしはタンクトップとブラとショーツになって ベッドに座るmasayaに向かい合わせで抱き着く。
(逢いたかったの)キス。 (キスしたかったの)キス。 (抱き締めて欲しかったの)キス。 (ちょっと淋しかったの)キス。 でも言わない。ただ何度もキスを繰り返す。
ブラのホックが背中でプチンと音を立てる。 タンクトップとブラを上げて、こんにちわの挨拶のように masayaはあたしの乳首を口に含む。 向かい合って、抱き合って、キスと愛撫。たくさん。
お風呂が一杯になって、 あたしとmasayaは裸になる。 バスバブルを入れた浴槽は泡立っていて、気持ち良さそう。 あたしは先に湯舟に入る。 masayaが後から入って来る。
ザァァァァ。お湯が溢れる。
あ。ダメダメ!せっかくの泡が! 慌ててあたしは浴槽の栓を抜く。だって勿体無いんだもの。 masayaはその間、中腰で待ってる。アハハハ。笑ってしまう。 もういいよ。 そういって、やっと肩まで浸かって。ジェットバスの電源を入れて お風呂場のテレビの電源も入れて。またワイドショー?
水流で、泡がたくさんになって来る。 あたしは泡あわするのが好きで、とても嬉しくなって、泡をひとところに集めたり。
ねぇ。気持ちいいね。
そうだね。
脚を伸ばしてお風呂っていいでしょ?
うむ。いいねぇ。
あたしとmasayaはお風呂ではいつも純粋に入浴を楽しんでるようだ。 一緒に入るのが楽しい。 泡を集めるのが楽しい。 たまにキスしたり。 たまに抱き締められたり。 何度かホテルで一緒に入ってるけど、お風呂場でセックスしてない事に気付く。 純粋なお風呂好きさんなのかもしれない。
ひとしきり泡で遊んで、もういいねぇ、楽しかったねと お風呂場から出て、バスローブなど羽織ってみる。
今日はバスローブなのか?
あい。着てみた。
では俺も着てみよう。
他愛のないお喋りが少しの間続く。 ベッドに横になって、一息つくと、masayaが言う。
では。失礼して。
失礼するのね?
キスが好きだ。 耳朶を噛まれるのが好きだ。 肩を噛まれるとビクンと身体が反応する。 強く胸を掴まれると、子宮がきゅぅと収縮する。 イヤと言いながら、身を委ねる。 好きにされたいと思う。 そうしたほうが、ずっと気持ち良くなれる事を あたしの身体はもう知ってるから。
不思議とmasayaとのセックスの時には あたしは彼に「してあげたい」と思う。 気持ち良くなって欲しい。感じて欲しい。 あたしの唇で、あたしの指で、あたしの、、、。
委ねていた身体を起こして、あたしはmasayaにキスをする。 唇に、耳に、首筋に。 鎖骨に歯を立てる。綺麗な鎖骨。羨ましいほど。 肩を、腕を、胸を、あたしは軽く噛む。
噛むという行為が好き。 口の中での存在感。鎖骨の堅さや筋肉のしなやかさが あたしの歯に伝わって、心地よい。 masayaの身体の筋肉の動きをみていると、衝動的に噛みたくなる時がある。 気付くと噛んでしまっている。 きっと、もっと力を入れると、 もっとあたしは感じるんだろうといつもそう思う。 それは痛がるので、しない。でも、衝動は、いつも。、、、ある。
彼を口に含む。 舌を這わす。どうすれば感じてくれるんだろうと思いながら あたしは喉の奥までくわえこもうとする。 全部は無理だ。入らない。 それでも、唇と舌を踊らせて、あたしは彼を愛撫する。 時折聞こえる キモチイイヨ という声が嬉しい。 その声を聞くと、あたしは感じて、濡れていく。
普段はしない体勢を取る。 だって、苦手なの。自分が感じてしまうと、愛撫が出来なくなってしまう。 特に、あたしが上のシックスナインはとても苦手。 恥ずかしいもの。見ないで見ないで。御願い。 masayaの舌が踊り出すと、あたしはまともに愛撫出来ない。 快感に夢中になって、すぐに崩れてしまう。
あたしが下になっても、結果は同じ。 声を出したいのに、彼の物が喉を塞いでいて、声が出せない。 苦しくて、でも気持ち良くて、思わず唇を離してしまう。 離れるとそれはそれで、また欲しくなって、あたしまた彼を口に含んでしまう。
いやだぁぁ。
ん?何がいやなの?
masayaは笑ってそうあたしに聞く。 言えないでしょう。バカ。
あたしの両脚の間から、masayaが身体を起こす。 期待してしまう。神経が一点に集中する気がする。
あ、、、入って来る、、。
目を閉じると感覚が深くなるよう。 だから、女はいつもセックスの時に目を閉じるんだろうか? 浅い位置で繰り返される動き。 焦らされてる、、、。 感じる感じる、でも、もっと。そう思っても、まだ彼は同じ動きを繰り返す。 かと思うと一瞬深く深く貫いて、また浅い動きに戻ってしまう。 焦らされて焦らされて、泣きたくなって、 きっとmasayaの顔を見上げるあたしは、訴えるような目をしてるんだろうとそう思う。『待て』を言い渡された飼い犬のような、訴えかけるような少し恨めし気な。 まだ焦らされて、もう御願いと口走りそうになった時に、 masayaが思いきり奥まであたしを突いた。何度も何度も。 声が抑え切れない。快感も抑え切れない。 大きな声を上げて、あたしはイク。
両脚を広げられて、一番奥まで突かれると、泣叫ぶような声になる。 体位は少しづつ変化して、あたしは気付くと犬のような姿。 深く激しく強く突いて貫いて。 痛いような苦痛のようなそれでいて甘美な快感。 あまりにもそれが続くと、身体が一旦ブレーキをかける。 …あたしの身体が彼から一瞬にして離れた。
ああ、逃げられちゃったよ。
笑ってmasayaは言う あたしは抱き締められて、余韻に浸る。 落ち着いたあたしは、もう一度彼に愛撫をしはじめる。
初めて抱きあった時に、少し華奢だと思ったmasayaの身体 別れた彼と年齢も体型も違う、比べてた。 でも今はくらべる事はなくて masayaの身体を見ると、適度に筋肉がついていて、 綺麗だと思う。 唇にキスをして、抱き締められて 耳から肩へ乳首へあたしは唇を這わせて行く 手はもう彼自身を愛撫していて、降りて行った唇は休む間もなく 彼を口に含む。躊躇もせず、焦らしもせず。
口の中で堅さが変化してゆく。唾液が滴り落ちる。
ねぇ。入れて…いい?また好きにしたまへとかって言うの?
ん?そんなことないよ。
彼の上であたしは笑ってそう聞く。 自分では入れないの、だって悔しいじゃない。 少しずつ入って来るのがわかる。 でも、角度が悪いのか、すぐに外れてしまう。
あ、はずれ、、、。 あ、、、当たりです。笑
感触を味わうかのようにあたしはゆっくりと腰を沈める。 全部入ると思うその時に、突き上げられる。 あっけなく痙攣してしまう。
「だめ」 「どうした?」 「何度でもイクから」 「いいよ。俺は楽しい」
徐々に大きくなる快感に、身体を動かし続けていると ふいに別の方向の力が加わる。 いつもと違う感覚に叫び声をあげる。
ふいに発見した新しい事を試すかのように masayaは同じ動きを続ける。あたしの反応を楽しんでる。 声が大きいのが自分でわかる。ヤだ。恥ずかしい。 哭き声のような声。あたしはmasayaの上に倒れ込む。 荒い呼吸。「ねぇ、すごいの」
少しインターバルを挟みながらの長いセックス。 じゃないと、あたしの身体が持たなくなる。 masayaはあたしを弄んで反応を楽しむ。 あたしはたくさんの快感に乱れる。
水音。
動く度に大きくなる。 汗と体液が混ざりあった音。
masayaの手がクリトリスに触れる。 もどかしいような泣きたいような感覚。 音がどんどん大きくなる。
masayaの下で、何度も激しく突かれながら ほんとにもうダメだと思う。 何度も伝えるのに、許して貰えなくて また大きな快感で、あたしはイク。
彼の額から汗があたしに滴り落ちる。 やっと合図を貰ってあたしはまた昇り詰める。 汗で濡れた身体に抱き着いて、痙攣を感じる。 キスとハグと痙攣と収縮。
流れ出る体液。
裸で寄り添って煙草を吸いながらあたしは言う。
masayaくん。今年はお世話になりました。ありがと。
来年も変わらぬ御愛顧の程を、か?
でも、本当に感謝してるの。救われたもの。
いへいへ。
ね。masayaくん。
ん?
…好きだよ。
ありがと。嬉しいよ。
うん。
俺もゆうちゃんのこと好きだよ。
えへへ。あんまり言わないから言い納めてみた。
うむ。
あんまり聞けないから聞き納めもしてみた。
あい。
そうやって話をしていると、時間はすぐに経ってしまう。 年末年始のスケジュールを少し確認したりして、 ああ、もう来年まで逢えないのねと、淋しくなる。
そろそろ帰らないと。
そだね。
抱き締めてキス。何度かそれを繰り返す。名残惜しくて。 masayaがあたしの胸にキスをする。
吸い納めだよ。
あい。納めといて下さい。
こっちもだ。
あい。両方ね。
せっかくいい雰囲気だったのに。 結局最後は 『吸い納め』 なのね。 masayaがいつもいってる【情緒】って? 一体どこにあるのでせう?
来年も変わらぬ御愛顧のほど よろしく御願い申し上げます。
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