あたしが温泉に行きたいなぁと何度も言ってると、masayaが段取りをしてくれた。それが今日。
masayaが住む場所は、温泉が豊富に湧き出る土地で、少し車で走るとたくさんの温泉があるところ。だから、彼が宿を決めて、予約してくれた。
2月で良いのか?
あい。良いです。
2月15日とかはだうでせう。
あい。まかせます。
大きな温泉街の隣の、小さな温泉。宿もかぞえる程しかない。そこの一軒にmasayaは予約を入れてくれた。部屋は5室。なんでも友人が泊まって、値段の割には良かったとのこと。
なるべく一緒に居る時間を長くとりたいと思った。あたしが出向く事は滅多にない。masayaが転勤してから、あたしが行ったのは、家出をした時の1度だけ。だから今度が2度目になる。
ネットで新幹線の時間を調べた。何度検索しても、その便が一番早い。乗っている時間が短いのに、早く着く。もうそれにしよう。ていうか、絶対乗らないと。
車を駅近くの駐車場に置いて、在来線に乗って、新大阪へ向かう。少し時間があったけど、土曜日なので早めに並んだ。どんどん列が長くなる。座れる?少し心配。3時間も立ったままは辛い。
席を確保して、発車。ああ、良かった。車内でコーヒーを買って、雑誌をペラペラとめくるが、内容が頭に入って来ない。無事に乗れたとメールを送って、少し眠ろうと思った。昨夜はほとんど眠れてなかったから。
車内はずぅっと混雑していて、立っている人がどんどん増えて来て息苦しいくらい。安定剤を1錠。しばらくするとしらない間に眠っていた。
午前11時前。待ち合わせの駅に近付く。少しでも早く降りたくて、少しでも早く逢いたくて、あたしはまだだといふのに、荷物を持ってデッキに立つ。流れる景色は少しのどかだ。スピードが少しづつ落ちて、そしてすぅっとホームに滑り込んだ。
着きました。
メールを送る。折り返しで、電話がなる。
ね、どこへ行けば良いの?
北口だよ。
電話で話ながら、改札を出る。外に出ると、向こうから飄々と歩いて来るmasayaが見えた。携帯を切って、あいさつする。
こんにちわー。
こんにちわー。
自動販売機で、masayaはブラックコーヒーを買った。何を会話したのか、あたしは覚えてない。だって、嬉しかったんだもん。嬉しくて顔を見ると、masayaは「ん?」という顔をする。
「ねへねへ。masaya君。髪長ひよ。」
「ああ、そだよ。切りに行く時間がなひんだよ。」
「そかー。後ろ髪長ひね。」
「さうだねぇ。では寿司ですか?まだ大丈夫だろう。」
「あい。まかせます。」
「本当は港まで行こうかと思ったが、遠いので止めました。くるくる回りますが大阪とは違います。100円ではなひです。」
「あい。」
しばらくすると、大きいな回転寿司の看板。ここですと言ってmasayaは車を駐車場に入れた。11時開店で、開店してすぐなので、まだ席に余裕があった。蟹汁とアラ汁を頼んで、あとはお寿司を食べる。好きなものを好きなだけ。あたしは生のシラスを食べた事がない。生の桜えびも食べた事がない。masayaが前に、おいしいよって言ってたので、どうしても食べたかった。
シラスが来たぞ。
あい。masaya君が食べてるのは何?
ん?わからん。
わかんないで食べてるの?
そんなことを言いながら、いくつかお寿司を食べて、気付くともう席は満席になってた。なぁ、だから言っただろー。いっぱいになるんだよ。とmasayaが言う。そだね。早く来て良かったね。そして、masayaくんがお寿司代を払ってくれました。ごちそうさま。
「さて、だうしますか?」
「んと。まかせます。距離感がわかりません。」
「あい。とりあえず温泉に向かひますか?」
「あい。」
ドライブするには最適な道。景色が良くて、天気もそこそこだけど、富士山が見えないのが残念。いつも何を話したのか忘れてしまう。きっとあんまりにも一緒にいることが嬉しいから、舞い上がってるのかな。
湖が見える。
もう少しだよとmasayaが言う。じゃぁ、観光しようよと車を停めて、船に乗りたいなぁとか言ってみた。船ですか?あい。船です。でも…。
こっちから出る船じゃなくて、あっちのデコデコしてる船がいいっ!
はあ。
でもよぉく考えてみると、湖の回りには何もなさそうだし、その後の目的の「黒いゆで卵」も待ってるので、そこは我慢してみた。
黒いゆで卵が有名。硫黄と卵の殻の鉄分が反応して、殻が真っ黒になっているのを、観光雑誌で見たあたしは、どうしてもそれが食べたかった。食べたいようしつこく言ってたら、masayaがそこまで連れてってくれた。
ねへねへ。ケーブルカーに乗る?
ん?車で行けるよ。
えー。
ていうかロープウェイだろ。
もうなんでもいいや。笑。駐車場から、湯煙があがる上の場所まで登って行く。ふぅ。しんどい。最近あんまり歩いてないからしんどいよぉー。でも手を繋いで歩くのが楽しい。ふぅふぅ言って上まであがって、やっと卵の販売所。6個入り500円。うわぁい。真っ黒ぉー。
さっそく剥いて食べてみる。味は普通のゆで卵だった。ねへねへ写真撮って。と言ってみたら、masayaは一生懸命黒い卵を撮る。おまけに卵の殻が散乱してるテーブルまで撮ってる。
ねへねへ。masayaくーん。あたしはぁ?
はあ。撮るのですか?
当たり前です。撮りますです。
写真を撮って、卵も食べてあたしは満足。また手を繋いで遊歩道を下る。途中で卵倉庫も撮ってみたり。楽しい。
売店でmasayaは甘酒を買って、あたしはこんにゃくの串刺し煮を買ってみた。うーん。関西味じゃぁなひなぁ。
後は宿に行くだけ。
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車で山を下る事30分。小さな温泉街の中の小さな旅館。部屋は5室しかないけど、お風呂が3つもある。すべて貸し切り。
部屋に入って荷物を降ろして、あたしはバレンタインデーのプレゼントをmasayaに渡す。とその時に気付いた。
あ。masaya君。キーホルダー持ってるじゃん。泣。
ん?ああ、大丈夫だよ。それはこっちに付けるから。
ほんと?ダイジョブ? ねへねへ。可愛いでしょ?なんかねぇ、とぼけた姿がすっごい可愛くて買っちゃったぁ。
あい。それはありがたい。
そんでこっちは、バーボン。バレンタインパッケージです。
はぁ。フォアローゼスかぁ。
…飲まなひの?
ありがたく飲みますよ。
これで、バレンタインプレゼントも無事に渡した。えへ。良かった。さてっと。
風呂行くですか?
あい。風呂行くです。
まずは露天風呂に入ろうとバスタオルを持って、いそいそと出かける。が、残念な事に、先客がいたようです。気を取り直して、今度は屋内の岩風呂に入ることにした。
小さいけど、ちゃんとした岩風呂で、ジャグジーもついてる。一緒にチャポンとお湯に浸かって、ふぅぅぅっとため息をつく。
ねへねへ。気持ち良ひねぇ。
あい。温泉は良いねぇ。
くっついて、チャポチャポと戯れてみる。一緒に入れるのって楽しいねぇ。masayaの手があたしの胸を触る。唇が乳首に触れる。くぅ…。ため息。
~*Yuuちゃんくわえたひのか?
そんなことなひもん。
そかあ?
といいながらあたしは彼を口に含む。いっぱいになる。口の中がいっぱい。胸もいっぱい。して欲しい気持ちでいっぱい。
masayaの指が確認をしはじめる。
くすくすと彼が笑う。笑う事ないじゃん。だってさ、こんなになってるよ。
立ったまま壁に手をついた姿勢で、masayaはあたしに入って来る。
あっ。あっ、くっ…。
浴室に響く声。小さな声のはずなのに、やけに大きく聞こえて恥ずかしい。そのままあたしはいってしまって、masayaはいかずに終わった。
ふぅ…。
冷えた身体をもう一度温泉に浸かってあたためる。しばらくあったまってから、さて、上がりますか?と、上がってみた。
んもう、masaya君ってすっごい普通なんだからぁ。
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部屋へ戻って、あたしは少しだけお勉強。masayaはそれを見てくれる。 簡単なことがわからないあたしは、いちいち彼の説明に頷く。 一段落して、ふっと窓の外をみると、露天の温泉が空いてるみたいにみえた。
ねへねへ。masayaくん、露天空いてるかもー。 そかぁ?
バスタオルを持って、露天風呂へ急ぐ。パタパタパタ。ちょうど出て来た人がいたので、入れ違いで入れる事になった。 脱衣所も外で、浴衣を脱ぐと寒い。 小さな四角い湯船で、ふたり入るといっぱいで、気温が低いから、すぐにお湯の温度も下がってしまう。
ふぅ。あったかいねぇ。
さて、さっきの続きをしようかなぁ?
貫かれて、打ち付けられて、あたしは泣きそうに感じる。外から見えそうな気がして、それが気になってたけど、もうどうでもいいような気もした。 冷たい空気の中、皮膚は冷えて行くのに身体の中心は熱く熱を持つ。
イッテモイイ? うん。
彼の体液が熱く感じられた。
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温泉から上がるとすぐに夕飯だった。 浴衣を着て丹前を着て、広間で他の部屋の人も一緒の食事。
なんかね、妙に照れる。
masayaはビールを1本飲んで、あたしも少しだけいただいて、小さな旅館なので豪華なお食事ではないけれど、色々並んでいて、どれも普通においしくて。関西育ちのあたしには、少しおだしの味が足りないけど、これが関東の味だぁって、ちょっとだけ嬉しかったりもした。 デザートのいちぢくの甘く似たのがとても美味しかったです。
夕飯が終わって部屋に戻ると、お布団が二組。くっついてる。笑。 はぁ、お腹いっぱいだよぉ。 そういうと、彼は布団に横になって、ウトウトしはじめた。 あたしも少し遅れてウトウトする。
お布団は二組だけど、くっついて寝る。
寝てる途中に、隣の部屋の人が間違えて入って来るというアクシデントがあったけど、それでもmasayaは起きないし。あたしもまた寝てしまったけど。
お風呂は午後10時までっていわれてたので、午後9時にあたしはmasayaを起こしにかかる。
ねへねへ。温泉ですよぉ。 うううん。眠ひなぁ。 でも温泉は午後10時までですよぉ。 はぁ。 行かなひのぉ? 行くやふ。
眠そうなのを無理矢理に起こして、最後の3つ目の温泉に入りに行く。今回はもう、身体を洗って、髪を洗ってそれだけのあっさりしたもんです。
部屋に戻って、ウメッシュを飲んで、ヘラヘラとお布団でくっついてみたり。
でも、masaya君、どっちでもいいのね? うむ。俺はどちらでも良いよ。 ねへねへ。くわえても良い? はぁ、お好きに。
あたしは彼を口に含んで愛撫する。 masayaは今回は受け身だ。 何もしないの。ちょっと淋しい。
キスして、唇を這わせて、口に含んで、彼が反応するのを楽しむ。 我慢出来なくなって、あたしは欲する。
入れてもいい? よいよ。
淫らに揺れる。声を上げる。あっ。いきそうになると、あたしは動きを止めた。
ん?どした。
…すぐいっちゃうから、我慢してみたの。
そか。我慢したのかあ。
そう言って笑いながらmasayaはあたしを突き上げる。あっ。あかんのあかんの。ん?ダメかあ?ダメじゃないけど。 何度かあたしは我慢して、それでももう我慢出来なくて、倒れ込むように果てる。
いかないって言ったんじゃないのか?
だって、我慢出来ないんだもん…。
彼はいかなかった。 それでも、あたしは満足。だっていっぱい感じたから。 疲れたあたしは、睡眠導入剤を一錠流し込んで、masayaの腕枕でシアワセに眠った。
疲れたのは、セックスだけじゃなくて、湯当りかもしれないね。 だって、短時間で3回も温泉に入ってるしね。笑
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