朝目覚めると、masayaもぼぉーっとしていた。
「あれから無事に眠れましたか?」
え?何?何が?
少し考えてみる。 ああ、そうだ。あたし発作出したんだ。
喘息を持病に持つあたしは、疲れがたまったり寒暖の差が激しくなったり、過呼吸になったりすると発作が出る。 昨夜も軽い発作だった。
床にぺたんと座り込んだあたし「どーしたの?」と聞くと、あたしはダイジョウブと言いつつ、ベッドに上がって、彼の身体の上にどっしりと覆い被さったらしい。
胸を圧迫すると発作の時は呼吸が楽になるのです。だからそうした。 彼はヒィヒィと荒い呼吸のあたしの背中をさすって、呼吸が整って寝息になるまでそうしてくれてたらしい。
寝たのを確認してから、よっこらしょとあたしを身体の上から降ろしたって。
「ご迷惑をおかけしました。」
「いへいへ。」
そっか。背中さすってくれてたんだ。 あんまり覚えてないのが悔しい。 でも、そうしてくれたことが嬉しかった。
お昼ご飯は簡単に冷やしうどんを作って、一緒に部屋で食べる。 またエアコンを入れて、赤いソファでゴロゴロする。
昼過ぎには出発するんだって…。
「ねへねへ。もうちっとくっついても良いですか?」
「良いよ。」
そうして、また抱き合った。 もうすり切れて痛いのにね。それでもまだシタイなんて。 だって、もう帰るんでしょう。今度いつ逢えるのかわかんない。
一緒にお風呂に入って、彼の洗濯物を取り入れて畳んで ペットのハムスターをひとしきり遊んで。
「もう出る?」
「そだな。そろそろだな。」
「あのさぁ。ありがとうね。」
「いへいへ。結局どこにも行ってないなぁ。近いとこばかりで。ねぎやきも食べてないね。」
「さうですね。」
良いの。 あたしはmasayaとゆっくり出来たので、それで満足です。 時間を気にせずにゆっくり出来る時って、滅多にないから。
あたしの部屋の照明が赤いビーズランプに変わった。 masayaがちゃんと付け替えてくれたから。 あたしの中指に新しい指輪が加わった。 masayaが買ってくれたから。
行きたかったお化け屋敷も、たこやき食べ比べもありがとう。
相変わらずあたしはmasayaのことが好きだ。 当分これで生きられそうな気がします。
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