2004年04月09日(金) |
2004 1st date 金曜日。 |
金曜は朝から支社で会議。
いつもなら、6時過ぎまで勤務して、そこから車でJRの駅まで出て 車をパーキングに入れてから新大阪へ向かう。
支社は新大阪。 きっと会議は夕方まで続くはず。 そのまま新幹線に乗ればいい。
そう思って、いつもは地下鉄で行くところを、JRに変更する。 もちろん、車はパーキングに置いたまま。
会議の資料と、彼が持って来いと言ったモノと、1泊の着替えとで、結構な荷物になった。会議なのに、大荷物はおかしいので、新大阪のコインロッカーに荷物を預けて支社へ向かう。
カバンの中のロッカーキーがなんだか嬉しい。
---
会議は思ったより早く終了。 予定していた時間よりも1時間も早い。 最終のひかりで向かう予定だったのに、まだ2時間半以上も時間があった。
コインロッカーから荷物を取りだして、 駅構内のショッピングモールを少し歩く。 少しだけ買い物をして、新幹線の中で読む文庫本と雑誌を買って 食べるものとお茶を買って、それでもまだ時間は余った。
とりあえず、切符を買おう。
券売機で降車駅を入れて検索。
あ。こだまがある!
発車まで後10分ほど。 到着時間はひかりと20分ほどしか変わらないけど。 乗車時間は1時間ほど長い。 指定席はもう満席だった。
でも、少しでも早くに逢えるならと思って、あたしはその列車に乗る事にした。
切符を買ってホームに上がると、新大阪始発のこだまが停車している。 思ったより乗客が多いのね。
座席はすんなりとみつかった。 後はもう座ってるだけで、彼の住む街まで新幹線が連れてってくれる。
少し胸がドキドキした。
まだ彼からの連絡はない。
---
あたしが彼の元を訪れるのは、いつも金曜夜。
金曜夜の上りの新幹線はいつも乗客が多い。 ほとんどがスーツ姿のビジネスマン。
単身赴任だろうか? 週末に家に帰るんだろうか?
煙草を吸うあたしは喫煙車を選ぶ。 髪や洋服に匂いが付くのが少し嫌なんだけど。 自分も吸うので仕方ないです。
お茶を飲んで、少しだけ食べて、雑誌をパラパラめくる。 …でも内容が頭に入ってこない。
眠いのに眠れなくて。 時間がものすごくゆっくりと流れている気もして なかなか時計が進まない。
フと携帯を見るとメールが来ていた。
「そんなに遅くならないと思われ。」
後2時間。 後1時間半。 後1時間。
2通目のメールが来た。
「終了。」
思ってたより早く逢えるの? てっきり待ちぼうけだと思ってたのに!
3通目のメールが来た。
「すいません。やっぱり間に合いません。」
なによう。
後30分。 後10分。
「どこまで行けば良い?」
返事はない。
「到着しました。」
返事はない。
「何分発に乗ります。」
返事はない。
仕方なく、私鉄に乗り換えて予定していた駅に向かう事にした。 知らない場所で知らない電車に乗るのは不安です。
路線表を見ると、彼が指定した駅は、あたしが初めてこっちに来た時に 泊まったホテルのある駅の一駅手前だった。
一昨年の夏のことだ。…もうそんな前になるのね。 なんだか不思議な感じ。
指定された駅に近づく。 窓の外は真っ暗に近い。 列車が速度を落として、ゆっくりとホームに停車した。
ホームから見る駅前は、ほとんど真っ暗だった。 正直途方に暮れる。
…どうしよう。
普通なら駅前にはファーストフードがあったり喫茶店があったり本屋があったりレンタルビデオがあったりするものなのに そこには何もない。
ただ1軒だけ、煌々と明かりが点いているのが、彼が言っていた24時間スーパー。
まだ連絡はない。 メールを送ろうと思って携帯を取りだしたところに、彼から着信。
「今どこにいらっしゃるんでしょうか?」
「今指定された駅に着いたところです。」
「申し訳ありませんが、まだ抜けれないんです。 俺としてはサクっと~*Yuuちゃんにくわえていただいたりしたいもんなんだが 生憎飲み会を抜けられません。」
「はぁ。で、後どれくらいですか?」
「…早くて30分。」
「あい。なるべく早くに来て下さい。」
---
しばらくホームでベンチに座って時間をつぶした。 風が冷たくて、人もいなくて、ちょっと泣きそうになる。
改札を抜けて、スーパーへ向かう。 身体が冷え切ってたので、缶コーヒーを買って、フリースペースのような場所で時間をつぶすことにした。ここなら寒くないから。
時刻は11時。 ガードマンのおじさんがやってきて申し訳なさそうに言う。
「すみません。ここのご利用は11時までとなっております。」
「ああ、そうなんですか。ごめんなさい。知らなかったものだから。」
外は風が冷たくて気温も低い。 それでも、あたしは連絡があるまではここを動けない。
仕方なく、今度はそのスーパーをゆっくりとまわる。これと言って買う物もない。
うろうろと深夜に店内を徘徊する女は不審者に見えるんだろうか。 何度もさっきのガードマンがあたしの近くにやってくる。 風をよけるために出入り口付近に居れば、そこにやってくるし。 店内を歩けば、遠くからみているし。
あたしって、やっぱり不審?
それはそうよね。 だって、深夜スーパーなんて、みんな買い物をして、用事が済んだら帰るんだもの。 こんなに長時間徘徊してればおかしいと思うに違いない。
時刻は11時半。 長いこと出入り口から駐車場を眺めていたが、まだ来る気配はまったくない。 何度目かでガードマンが来た時には、もう限界と思って、 少し先に見えたコンビニに場所を移した。
「早く来いよ。バカ。」
ほんと泣きたい気分。
---
コンビニもガラガラで、少し居づらいかもと思っていたけど、ここを出たらもう寒さをしのげる場所もない。なので、仕方なくそこに居る。
もう待ってる自分がなんだかすごく可哀想な気がしてきた。
やっと電話がある。
「今どちらですか?」
「近くのコンビニです。」
「タクシーがねいないので、がんばって歩いてます。」
「で、どれくらいで着くの?」
「15分くらい歩いて、それから、煙草などを吸ったらいけませんか?」
「だから、どれくらいで着くんでせふ?」
少しイラついてた。 あまりにも寒くて、半袖カットソーにジャケットだけではもうどうしようもなくて。 立ち読みする人が増えて来たから、まだそこに居られたけど。
結局、彼が来たのは、 午前0時10分。
へらへらとヨッパライで、ものすごく酒臭くて。
逢ったら、絶対嫌味の1つ、2つ、いいや、もう100くらい言ってやろうかと思ってたのに、あまりに普通にいやぁ、こんばんわと言う彼と、 いきなり運転席に乗せられて、操作方法を教えられて 何も言う暇がなかったです。
これも作戦?
というか、あまりにも普通過ぎて、3ヶ月のブランクあるとは思えなくて。 あたしもあれだけドキドキしてたのに、現れたのが酒臭いヨッパライだったし 初めて運転する彼の車の操作と、初めて走る道で緊張してたので 結局何も言えずじまい。
これも作戦?笑
あのさ、あたしこんな何もない場所で、1時間40分も待っていたのです。 褒めてくれたっていいでしょ?
でも、テンション高く喋りはじめる彼の顔を見てると そんなことは、もうどうでもいいような気もしてきた。
---------------
土地勘はまったくない。
自分で何度か運転した道ならば覚えているのだけど、助手席にいつもちんと座ってるだけなので、そうそう道なんて覚えない。 助手席の時は、こっそりと運転する横顔ばかり見ているから。
自分の車を軽自動車に変えてから、そろそろ1年。 普通車の車幅で運転出来るのか不安だったけど。 乗れば乗れるもんなのねと、自分で感心。 そだね、長い間大きなワゴンを運転してたんだもの。 乗れないはずがない。
高速道路は空いていて、アクセルを踏んでもいないのに、スピードが上がる。 最初はこわごわ制限速度で運転してたのに、気付くと140km/hも出ていた。
彼は時折横から口を挟む。
「右に寄ってるぞ。」
「今度は左に寄ってます。」
うんと。わかってるんだけど。 制御不能なの。って危険なドライバーです。
やっぱり緊張して運転してるのか、姿勢に力が入り過ぎ。 酔ってると、彼は饒舌だ。 車の事や、飲み会の事や、いろんな事を話す。 その合間にナビをする。
あたしはといえば、前方を見て、追い越しするタイミングをはかるのに、全神経を集中させる。深夜の高速は大型トラックが多いから、少し怖い。
「晩ご飯は食べたのですか?」
「新幹線の中で少し。でも小腹が空きました。」
「そういうときはうどんかそばでしょう。」
「あい。あたしはうどんがいいです。」
30分ほど高速を走って、インターを降りて、すぐ近くの深夜までやってるうどん屋さんへ。ナビをする彼は細かい。
「はい、この車線のまままっすぐ。」
「ああ、左に入っておいて下さい。」
「そこなのでウインカーを出して左。」
「そんなに突っ込まなくていいです。」
やっと到着。 事故もせず、車にキズもつけず、あたし的には合格点。
「ねへ。あたしの運転どだった?」
「うむ。ふつーだろ。」
「えー。ふつー?」
「免許は取れるってくらいだな。」
「て、持ってるよ!」
この時間なので店内はガラガラ。
「~*Yuuちゃんどっちが良いのだ?エビとシラス。」
「エビのおうどんが良いです。」
セルフなので、桜エビのかき揚げうどんと、シラスのかき揚げうどんを彼が頼んで持ってきてくれた。
…だしが黒い。
でも食べてみると桜エビのかき揚げも美味しくて、ダシは色は黒いけど、少し甘めで、彼に言わせると関西風味だということだった。 関西風味ともちょっと違うんだけどなぁ。 シラスのかき揚げを貰ったら、あっさりした感じだった。 あたしは桜エビの方が好きかな?
おうどんを食べながら、彼が話す。
「いやぁ、この時間になると、名札が田中って書いてあるのに、作ってる人は外国人だったりするんだよー。」
「そなの?」
「昼間は違うけどね。」
調理場のカウンターの方を見ると、そういえば日本人より彫りの深い顔立ちの男の人だった。そか。田中さんなのね。笑
お腹もいっぱいになったあたしたちは、後は泊まる場所を探すだけ。
もう大丈夫だと運転を交代した。 あたしも人の車を運転するのは疲れる。 それに車庫入れが出来ない。
ホテルを探す前にコンビニに寄って、飲み物を調達する。 セブンイレブンの杏仁豆腐はいけるよと、彼が言うので、ちゃっかり杏仁豆腐も買って貰った。
---
少し走るとラブホテル街になる。 インター近くってどこも多いよね。 それなのに、彼の住む近くには、ラブホテルがない。ほぉんと健全な街。 だからわざわざ高速に乗ってここまで来なければならないのです。
「さて。どこにしますか?」
「どこでもいいです。そそられるとこなら。」
「うむ。じゃぁ、一通り見てみよう。」
一通り見てまわって、でもどれも決めてがなくて、こないだ行ったホテル2軒を除いて考えるとどれも似たりよったり。
とりあえず一軒選んで入ってみる。 ガレージごとに部屋の説明が表にあるので、どんな部屋かわかるようになってる。
「システムバスは?」
「うーん。どんなだろうね。」
「マッサージチェアは?」
「そそられません。」
「うーん。あ、ここウォーターベッドだよ。」
「ん?これにするか?でももう一週してみよう。」
「この中からどれか選べと言われれば、やっぱりウォーターベッドだよ。」
「じゃぁここにしてみよう。」
ワンルームワンガレージかと思ったらそうじゃなかった。 ガレージのドアを開けると長い廊下で、その先にエレベーター。 320なので、3階。
部屋のドアを開けると、いきなりベッド。 そして、奥にももう1台のベッド。 無駄に広い空間。 ランドリー着きって、洗濯機置いてあるだけじゃない!
「ねへねへ。ベッド2台もあるよう。あ、こっちがウォーターベッドなんだぁ。」
「2回ヤレって言う事じゃぁないか?」
乗ってみると身体の下で、ちゃぽんちゃぽんと水が揺れる。 でも温度調節機能がないので、少し冷たい。 疲れたので、お風呂の準備をして、入る事にした。
えいっと、洋服を勢いよく脱いでしまう彼は相変わらず。 そして、キスもされてなくて、やっぱり自分で脱いでしまうあたしも相変わらず。
…だから前戯とかしてもらえないの?笑
とにかく、お風呂に入る事にした。
----------------------
そのホテルには、バスバブルが備え付けていなかった。 こんなこともあるかと思って、家から持ってきたバスバブルを浴槽に入れてみた。
大きなバスタブではお湯の落ちる勢いだけだと、うまく泡立たない。 少しだけの泡のお風呂にふたりで浸かって、ジェットバスのスイッチを入れた。 みるみる泡が増えてくのが楽しい。
「ねへねへ。やっぱりジェットバスだと泡が細かいねぇ。」
「はぁ。そうですか?」
バスルームのテレビを点けて、テレビを観ながら話す。 彼は相変わらず、あたしに何もしようとしない。
…つまんない。
お湯が少しぬるかったので、熱いお湯を足して、しばらく二人で浸かったままテレビを観てた。
あたし上がろうっと。
先に上がって、洗面台で化粧を落として、顔を洗った。 彼も上がってきて、腰にタオルを巻いたまま、歯磨きをはじめたので、あたしも歯磨きをする。
「オーラツーならそこにあるぞ。」
いつも歯ブラシセットを持ち歩いてる人です。 備え付けの歯ブラシセットは歯磨き粉の味がまずいから、お言葉に甘えて彼のを使わせていただいた。
---
ウォーターベッドに寝ころんで、彼は相変わらずテレビを観ているので、あたしもその横に寝ころんでみる。
「さてっと。前戯でもしてみるかなぁ。」
「何それぇ。」
珍しく、キスからはじまった。 でも…甘い前戯を期待してたあたしがバカだったの?
バスタオルをはがされて、次にされたのは、お尻を叩く事だった。
「いったぁぁぁい。」
ピシャピシャと勢いよく音が鳴る。 基本的にMの性質を持ってるあたしは、痛い事が快感に繋がる。 肩を噛まれる。噛みちぎられるかと思う程痛かった。 耳たぶも噛まれる。
痛いといいつつも感じるあたしがいる。 でもね、本当にものすごく痛いのです。 爪を立てた指で、胸を掴まれた。
「痛いぃぃぃ。」
彼の指があたしの両脚の間にそっと触れる。
「でも濡れてるぞ。」
少し意地悪そうに彼がそういった。
あたしを責める時の彼は、淡々としている。 あたしが喜ぶからしてくれてるだけ? あたしが感じるからしてくれてるだけ? 彼は楽しくないのかしら?
そんなことを少し考えてみたけれど、また背中に唇が近づいて、思い切り噛みつかれた。一瞬にして、そんな考えはどこかへいってしまう。 3ヶ月ぶりの甘い痛み。痛みが去った後に残る甘美な快感。 期待していたような、【普通の前戯】ではなかったけど 十分あたしは感じていた。
「ふぅ。」
お酒が入って酔っている彼が、ベッドに仰向けになる。 今度はあたしの番。
躊躇することなく、あたしは唇を近づけて、ゆっくりと飲み込む。 舌先を遊ばせて、頭を上下に動かして、愛撫する。 しばらくそうしていた。
ふと視線を上げると、彼が眠っているように見えた。
「ねぇ。寝てるの?」 「ん?寝てなひよ。」 「だって、寝てるように見えるんだもの。」 「あまりにも~*Yuuちゃんが嬉しそうにくわえてるので、微笑ましく思ってたんだよ。」 「微笑ましいの?」 「微笑ましいぞ。」
フェラする女を見て、微笑ましいという言葉を使うなんて。 ほんと、変わった人だなぁと思う。
「ねへ。眠い?」 「ん?大丈夫だよ。」
いつもより長い時間、あたしは愛撫を続けていた。 でも、もう限界が来たようで、耐えきれない。
「…入れて。」
「ダメだよ。自分で開いて御願いしないとダメだぁ。」
「えー。なんでぇ。」
「じゃぁ、そのままくわへてなさい。」
落胆して、あたしはもう一度くわえはじめる。 そして、機会をみて、もう一度御願いする。
「…ねぇ。入れて。」
「じゃぁ、自分で拡げて御願いしたらどうだぁ?」
「だって、ヤだよう。恥ずかしいよ。」
「じゃぁ入れない。」
何度かそんなやりとりをして、それでも彼が折れてくれないので、あたしは諦めてベッドに仰向けになる。
「…入れて。」
「もっと自分で拡げてみたらどうだぁ?」
部屋の照明も全部点いている。 恥ずかしくて、そんなこと出来ない…と頭の中では思うのに、 あたしは彼に言われた通りに自分で両脚を開く。
「…入れて下さい。」
少し控えめに開いた両脚を、両手でぐいと拡げられた。 恥ずかしさと快感は比例する。
「じゃぁそろそろ入れてみようかなぁ。」
そう言う時の彼は意地悪で楽しそうだ。 あたしはもう我慢の限界だった。彼が入ってくるとものすごい快感が押し寄せて来る。 気持ちよくて泣きそう。
奥まで入ったとたんに、彼が激しく動き始めた。 瞬く間にあたしの感じ方も激しくなる。 自分でも知らない間に、あたしも腰を動かしてしまっている。
ああああん。
ラブホテルだから、別にどれだけ声を上げてもいいんだけど。 あまりにも大きな声なので、それも恥ずかしい。
しばらく正常位のまま繋がっていたけど、アルコールが入った彼には辛かったようです。
次はあたしが上になる。 あたしが動くたびに、ウォーターベッドの水が揺れて、チャポンチャポンと音がする。 膝が固定されなくて、少し不安定。
それでも、気が狂うのじゃないかと思う程、気持ち良くて。 突き上げられると、奥の奥まで届いて、子宮に当たる感覚がすごくて。 思わずイッテしまった。
あたしは動くのを止めて、はぁはぁと肩で息をして言い訳をする。
「久しぶりだから。すぐイっちゃうぅ。」
「いいんじゃぁないかぁ?」
「でも、ほんと気を抜くとあっという間にイッてしまうの。」
「俺もそろそろ出してみようかなぁ。」
「今日は出さないでいいよ。だって、酔ってる時って、男の人イカナイでしょ?」
「イクよ。当たり前です。お口で出そうかなぁ。」
もう一度正常位で、彼が激しく動く。 突かれる度に、あたしはあんあんと声を上げる。 激しいセックス。
激しい動きが止まって、すっと彼があたしの中から引き抜いた。 あたしは彼の脚の間に顔をうずめて、それをくわえてしばらく上下運動をする。 自分の体液の味と匂い。 発情したメスの匂いかしら。
「…あ。」
「ん?」
「なんか、タイミングを逃してしまったようだ。」
「ん?」
「はい。タイミング悪かったかもだ。」
唇を離してあたしはこう言った。
「無理にいかなくても。酔っぱらってるんだし。」
「そだな。それもそうだ。」
「じゃぁ、あっちのベッドで寝ないと。こっちじゃ風邪ひいちゃうよう。」
あたしはね、満足したの。 だってちゃんとイッタし。とっても気持ちよかったし。 彼も今日は諦めたみたいだ。それよりもお酒も入っていて眠かったみたい。
普通のベッドに移動すると、もう寝息を立てている。 あたしは飲み物を飲んで、煙草を一本吸って、そして、睡眠導入剤を1錠摂取した。 きっと、3ヶ月ぶりに一緒に眠ると、興奮して眠れないだろうから。 彼の横にいるだけで嬉しくて眠れないだろうから。
「ねへ、何時?」
「3時過ぎかな。」
「そか。」
ベッドに入って、腕枕をして貰う。 脚を彼の身体に絡ませて、抱き枕の代わり。 あったかくて、気持ちよいです。 既に寝ている彼の寝息を聞きながら、ひさびさの腕枕であたしもいつしか眠っていた。
とってもシアワセだ。
|