2004年04月10日(土) |
2004 1st date 土曜日。 |
ふと目覚めると、彼の顔が目の前にあった。
ん?
睡眠導入剤を飲んでいるので、頭がはっきりしない。というか、まだ半分意識は寝たまま。
えっ?と思っていると、なんだかあたし犯されているみたい。 急に脚の間に彼の身体が入り込んで来て、あたしは前戯もないのに、なんなく受け入れてしまった。
まどろみながらも、身体は正直で。 くちゅくちゅという音と、彼の動きと、あたしの声が遠くで聞こえる。 まるで他人事のようだ。
夢なのかとも思う。
どれくらいの時間繋がっていたのかもわからない。 すごく短い時間?だった気もするけど。 それでもあたしはとても感じているようで、でも、自分の声が遠くで聞こえる。
そして気付くと、彼のモノはあたしの口の中ではじける寸前だった。 意識がはっきりしないので、精液の味もあまりわからなかった。
それから自分でどうしたのかもわからない。
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また目覚めた時には、もう意識がはっきりしてた。 朝方に繋がった記憶はあるのだけど、感覚としては、はっきり残っていない。
相変わらず、彼の腕はあたしの頭の下にあって、横にはぐぅぐぅと眠る彼の姿があって、本当に夢みたい。
いつもは、朝あたしが目覚めるのが先で、寝ている彼を勝手に襲うのだけど、今朝は違った。夢うつつのセックスもぼやんとしていて、妙に気持ちが良かったような気がするけど、それもよく覚えていない。 寝込みを襲われるのも、たまにはいいなぁとか、ちょっと思った。 それにしても、寝ていたのに、前戯もなくするっと入ってしまうなんて、そのことが恥ずかしいです。
時間までだらだらして、お風呂にもう一度入って、(シャワーだったっけ?)そこのところも、記憶力がいいあたしにしては、今回覚えていません。
洋服を着て、外に出る支度をして、ああお腹空いたねえなどと話をして、チェックアウトした。
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外に出てご飯を食べ終わったあたしたちは、またコンビニに寄って飲み物を買う。
「どこにしますか?」
「どこでもいいよ。でもサービスタイムが長い所がよいです。」
今回のおデートは、お出かけはなしと言われていた。 『がっつり合宿です。』と最初から宣言されていたのです。
なので、午後からのサービスタイムのラブホテルを探す。 そんなに軒数は多くないのだけど、いろんな時間帯で昼間はサービスタイムをやっているので、少しでも長くお得なところを、あたしたちは車に乗りながら探す。
「えっと。さっきのところは6時までだったよ。」
「そか。」
「あ、ここは4時までです。ダメですね。」
「あい。」
そんなことを話してると、ホテル街が終了してしまった。 Uターンして、もう一度探してみる。でも反対方向からって、表示が見えないのです。 また、最初から物色をはじめる。
「あ。ここでいいですよ。」
「では入ってみよう。」
ガレージに部屋の写真はこの辺りの常識? 入ったホテルは結構古いらしくて、あまり良い感じの部屋はない。 そのまま、スルーして、またラブホテル街をゆっくりと通っていく。
「あ。ここも6時までだよう。」
「ではここにしてみやふ。」
今度は写真ではすこし洒落た部屋が多いように見えた。でもどの部屋も同じような作り。結局もう探すのも面倒なので、適当な部屋をみつくろって、駐車スペースに車を停めた。
211号室。
エレベーターで上がると、長い廊下があって、各部屋のドアも洒落た造り。 2階の一番端っこの部屋だった。廊下の突き当たりには大きな窓があって、外の緑が見えた。いいお天気。
ドアを開けてみると、やっぱり無駄に部屋は広い。 というか、泊まったホテルと部屋の造りがそっくりで、なんだかホテルが変わった気がしない。 バスルームも同じような感じで、シャンプーやボディソープが入れてあるボトルも同じ種類。 バスタブにお湯を溜める。その間、テレビを観るのも昨夜と一緒。 ほぉんと同じだぁ。笑
「お風呂大丈夫だよ。」
「そかー。」
バスタブにちゃぽんと浸かって、彼はまたバスルームのテレビを点けて、そこまでは一緒だった。
バスタブに腰掛けた彼が、ぐいとあたしの頭を引き寄せた。 目の前に突き出されたモノをあたしはくわえる。
と同時にぐいぐいと頭を押される。 息が出来居なくて苦しい。逃げようとすると、それでもまた、引き戻されて、無理矢理喉の奥まで突いてくる。
何度も逃げようともがくけど、何度も執拗に繰り返されて、壁際に押さえ込まれたあたしには逃げ場もない。苦しくて涙が出そうになる。
ふっとその動きが止んで、お湯の中に座り込むあたしを彼の指が確認する。
「ははは。」
立たされて、壁際に手をついて、あたしはバックから犯される。 当然のように、あたしは受け入れて、喘ぎ声をあげながら犯され続ける。
こういうのが、好きなの。
少し乱暴で、少し痛くて、少し優しい。そんなセックスが好きなのです。
イきそうになったところで、彼は無情にもあたしの中から引き抜いてしまう。 崩れ落ちるようにバスタブに座り込んで、あたしは息を整える。
「…そろそろ上がります。」
「あい。そろそろね。」
洗面台に映るあたしは、顔が上気してて、身体が熱い。 しばらく、そうしていると、続いて彼が上がってきた。 そのまま跪いて、もう一度あたしは彼を飲み込む。 押さえつけられると苦しくて泣きそうなのに、それが感じてしまいます。
鏡の前でフェラをする自分の姿を想像して、また感じてしまった。
バスルームから出て、あたしはもってこいと言われたものを取り出した。 クリスマスに彼が送ってきたのは、大小のバイブレータ。 それをもってこいって言うなんて。 「命令です。」と言われると逆らえないあたしもあたし。
取り出したバイブを、ソファに座りながら、彼はしばらく眺めたりスイッチを入れたりして遊んでいたが、じゃぁ入れてみようと言って、あたしの中にそうっと挿入する。
電源がオンになるけど、そういうモノよりも、実際のセックスの方が何倍もイイ。 比べモノにならない。電気的な刺激は味気ないもの。
それは彼も感じたらしく、ちょっと試した後で、こう言った。
「楽しくないです。もういいよ。」
「でしょう。そんなに楽しいものではないですよう。」
はい。終了。 そんなものを使わなくても、彼とのセックスならば、極上の快感が得られる事は、あたしの身体が一番良く知ってる。
ベッドに移動して、今度はちゃんと抱き合う。
相変わらず、あたしの濡れ方は異常な程。 お尻の下のほうまで、濡れてしまうくらい。 昨日とはまた違う快感かもしれないし、同じ快感かもしれない。よくわからないくらい感じるのは確かだ。
正常位も好きだけど、あたしは自分が上になるが好き。 一番奥まで感じる事が出来るから。 これ以上入らないと言うところまで、貫かれて、狂ったように動くと、すごく感じてしまう。
イイノ。イイノ。すごくイイ。キモチイイのぉ。
そんな事を言わなくてもいいのに、どうにかして伝えたくてあたしは言葉にする。 でも、その言葉も最後には叫び声のようになってしまって、わからなくなる。
後ろからされるのも好き。 上になるときと、また違う場所に彼が当たるから。 背中やお尻を時折ピシっと叩かれると、快感が倍増する。
ようは 彼とのセックスならなんでも感じてしまう体質になっているみたい。
騎乗位で今日1番のエクスタシーを感じて、倒れ込んだあたしは少しの間動けない。
もう一度彼が上になる。 激しい動きで、あたしはまた感じ始める。
もっと奥まで突かれたくて、あたしは両脚を大きく拡げる。 時折目を開けると、中に浮いた両脚がいやらしく見える。 そう思うと、余計に感じてしまう。
目を開けたままでセックスをすると、快感はもっと増えるんだろうか…。
激しい動きがより早くなって、彼があたしに聞いてくる。
「中で出してもイイ?」
頷く。答える事は出来ない。絶え間なくあたしは喘いでいるから。
「もう出るよ。」
彼がそう言った。 唇が唇で塞がれる。 彼の首に腕を回して、夢中でキスをする。
と同時にあたしの中に精液が放出される。
…気持ちイイ…。
しばらくそのまま、余韻に浸るのもいつもと同じ。
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「ああ。ティッシュが遠いです。」
「あ。ほんとだ。」
繋がったまま少し移動して、なんとか彼がティッシュを掴んだ。 この情景ってすごぉくマヌケなのよね。
流れ出る感じも好きかもしれない。 ずっと前は中で出されると、後の処理が面倒だから嫌いだったのに。 人間って変わるのね。今は中でイッテ貰わないと、何か物足りない。
あたしが使ったティッシュには、うっすらと血液が付いていた。
…また流血しちゃった。笑
激しいセックスすると、必ず切れてしまいます。 激しすぎる?のかなぁ。
彼はまた眠る体制になっていた。 あたしも疲れて、ものすごく眠くなったので、一緒にお昼寝することにした。
セックスの後のけだるい身体で眠るのは、気持ちよくて好き。
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1時間半くらい寝ていたみたい。
彼はまだぐぅぐぅ寝ている。 そらそうだよね。今週は飲み会も多かったらしいし、その前の週まではものすごいハードワークで睡眠時間も少なかったみたいだし。
と、ここでそうっと眠らせてあげるのが、優しさなんだろうけど…。
滅多に逢えないから、セックスしないといけないような気分になってるのかもしれない。それに、ここ3ヶ月まったく逢えるタイミングがなかったので、あたし自身、欲求不満気味だったのもある。
途中で目を覚ました彼があたしに聞いた。
「どれくらい寝てましたか?」
「1時間半くらい。」
「そか。」
そう言ってまた目を閉じる。目を閉じるとすぐに寝息を立て始める。
だから…また勝手にくわえてしまいました。 うんと。別に何がなんでもしたいわけでもなくて。 でも、ぐーぐーと寝ている彼を見てると何かちょっかいを出したくなるのです。
でもフェラしていると、どんどん彼のモノが大きくなってきて、 あたしはそれを感じるとまた濡れてしまって、そうこうしているうちにたまらなくシタクなってしまう。
勝手に乗ってしまう。
でも、さっきの激しいセックスで切れてる箇所があるせいか、濡れているのだけど、入り切るまでがとても痛い。擦り傷の痛みに似てる。というか、実際擦り傷みたいなものだし。
動かなくてもいい。
そう思うんだけど、やっぱり入れてしまうと動きたくなる。 少しだけ自分で動いてみて、ちょっとだけ感じてみた。
「ううううむ。」
「ん?何?」
「さすがに痛ひなぁ。」
「痛いの?」
「あい。痛いです。」
そか。男の人も痛くなったりするのね。知らなかったです。 というか、そんなに長時間普段はしないし。
あたしが動くと、彼は眉間に皺を寄せる。
「痛いの?」
「痛いです。」
「では止めておきます。」
と言いつつも、くすぶった快感が残ってしまって、不完全燃焼な気分。 でも痛いのを押してまでやる必要もないし。あたしも痛いんだし。
お茶を飲んで、その後、またベッドに潜り込む。 眠そうな彼に何かと話しかけてみる。
「ねへ。」
「ん?」
「チキン様って、変よね。」
「そかぁ。」
「うん。変だよ。」
横に並んで、ふつうの会話をする。 最後ちゃんとイケなかったので、少しトゲトゲしてた気持が、話してるうちになくなって行くのが自分でわかった。
ああ、あたし。 こゆうふうにふつうにゴロゴロとかしたかったんだ。 彼の顔を触ってみたり、筋肉だぁと噛みついてみたり そゆうふうにじゃれたりする時間って、ここ数ヶ月なかったような気がする。
特に、あたしが彼の住む街へ行くようになってから、 それはあたし自身が意識してしなかったことだ。
甘えたりすることが負担になるかもしれない。 好きだとか言ったりすると負担になるかもしれない。
自分で決めてしまっていたような気がした。 セックスだけって。 セックスだけの関係にしちゃったほうが、きっと彼は楽なのだろうって。
もちろん、彼がそうしてくれとあたしに言ったことはない。 ないような気がする。 彼の態度とか、言葉とか、ふと見せるしぐさで、あたしはそう判断した。
負担になりたくないという重いは強い。 だから勝手に予防線を張っていたのかもしれないね。
「今何時だぁ?」
「4時。」
一瞬彼が笑顔になった。目をつぶったまま。
「今笑ったでしょ?あとまだ1時間は寝れるって嬉しがったでしょっ?」
「そんなことはなひよ。」
「だって、笑ったもん。今4時って聞いた時、薄ら笑い浮かべたよ。」
「いやぁ、例えそんなことを思っていたとしても、そんなことは言いませんよう。」
「うそっ。絶対嬉しい顔してたぁ!」
裸のまま寝ころんで、変な会話でジャレてるのが、楽しかった。
「ねへねへ。あのさぁ。眉毛切っても良い?」
「ダメです。」
「ねへ。ちょっとだけだからさぁ。」
「…うーむ。」
携帯している眉ハサミを取り出して、まだ寝ている彼の眉をチョキンチョキンとカットしはじめる。
まずは向かって左。(右眉) 眉毛ボーンな人なので、放っておくと西郷隆盛も真っ青な眉だから。
「うわぁ。すっごぉい。カッコいくなったよう。」
右の形が整ったので、今度は左。 左右対称にしようとあっちをチョキチョキ、こっちをチョキチョキしてる間に、だいぶ今時の眉になった。
「目、開けてみて。うわぁ。カッコ良いよぉー。ねへねへ。見てぇ。」
目を開けて、彼は思いきり上を見上げる。
「そじゃないってばっ!」笑
壁にかかった鏡を覗いて、彼ははぁと溜息をついた。 …気に入らないの?でも絶対カッコイイと思うんだけどなぁ。うーん。
そんなことをして、眠そうな彼と遊んでいるうちにチェックアウトの時間も近づいて来た。
「はぁ。風呂にでも入ろうかなぁ。」
「でも、もうぬるいよ。」
「今から用意します。」
そう言って彼は起き出してバスルームへ向かった。
熱いお湯を足したので、適温になっていた。 お風呂に浸かって、またいろんなお話をする。 近所の温泉の話とか、スーパー銭湯の会員になったとか。 …楽しい。
あたしは先にお風呂から上がることにした。女はお化粧とかいっぱいあるものね。
「じゃぁ、もう身体も全部洗って、後は夜寝るだけにしておこふ。」
そう言うと彼はジャバジャバと洗い始めた。
用意をし始めてると、彼が上がってきて、また歯磨きを始める。 あたしも釣られて歯磨きを始める。
シャカシャカシャカ。
彼の歯磨きタイムは長い。 そんなに磨き続けると、エナメル質が削れるぞといつも心の中で心配するんだけど、言っても無駄なこともわかってるのでいいません。
服を着て、お化粧をして、髪を整えて、荷物もちゃんとして。 忘れ物はないみたい。ただまだ口紅を塗っていない。
「さて、いってみますか。」
それを合図のように、あたしは彼に抱きついてキスをする。 この為に口紅を塗ってなかったの。
「あのね。がんばれって言って下さい。」
「あい。お仕事もがんばっておくれ。」
少しぎゅぅっとしてくれて、背中をぽんぽんと叩いてくれた。 明日から、またがんばれる気がします。
「晩ご飯はラーメンだなぁ。」
「そだね。気分はもうラーメンですね?」
チェックアウトして、彼が美味しいという、【お魚のおだしの味のするラーメン】を食べに行く事にした。
一緒に居られるのも、後2時間。
お魚のダシの味がするラーメンは、今まで食べた事がない味のスープ。
というか、ラーメンのスープではなくて、別物だと思う。 見た目では真っ黒でお醤油辛いのかなぁと思うのだけど、そんなに辛くもない。 不思議な味。 和風の味。
3口目くらいまでは、美味しいと思わない。ぜーんぜん思わない。 変な味のラーメンだなぁと思って食べ続けてると、なんだかものすごく美味しく感じて来た。
おうどんのおだしに似てるなぁ。
テーブルに一味があったので、振りかけてみたら、急にものすごく美味しくなってびっくりした。最初コショーを少しかけてみたけど、なんかしっくり来なかったんだけど、一味をかけたらぴったり。
うわぁ。なんか不思議な味だけど美味しいよう。
あまりしつこくもないし、あっさり味で不思議な和風味だけど、美味しかったです。餃子は普通のお味でしたがこちらもおいしゅうございました。 完食。ごちそうさまでした。
「不思議な味のスープだねぇ。」
「そかぁ?鯖とムロアジの味だと思うが。」
…そんなのあたしにはわかりませんよう。 彼は変なとこに詳しかったりする。
店を出て、今度はお土産屋さんに連れてってもらう。 魚の干物を買うつもりで。
アジの干物と、あと梅干しを買うつもりだった。 それだけにしとこうと思ったのに、たまたま試食した「たこわさび」が非常に美味しかったので衝動的に買ってしまった。ああ、またやっちゃったわぁ。
後は駅に向かうだけです。 ちょっとだけ淋しいような気分。
駅に向かう車内であたしは彼にお礼を言う。
「今日はありがとう。」
「いへいへ。どういたしまして。」
「今度は温泉とか行きたいなぁ。江ノ電も乗ってみたいし。でも江ノ電と温泉は別だよねぇ。」
「うむ。そうだなぁ。」
「ね、お仕事ちょっとは楽になるの?」
「なるかと思うよ。」
「また来てもいいですか。」
「あい。どーぞ。」
良かった。 また来てもいいって。 あい。どーぞだって。
駅の券売機で新幹線の指定席の切符を買う。 自由席でもきっと座れるんだろうけど、もしダメだったら困るので、先に買っておいた。まだもう少し時間がある。車に戻って彼にお茶でもしない?と提案してみた。
「でも駐車場があるファミレスとかこの辺りにはないんだよ。」
適当にその辺りをドライブして、ぐるぅっと回って戻って来ると良い時間になりそうだった。 もう30分くらいだね。ラスト30分。
いつもいつも、気持の中ではカウントダウン。 後何時間、後何分。 やっぱり1時間切ってしまうと、急に切ない気分が盛り上がってしまう。 ダメダメ。切ないとか思ってしまうと、泣きたくなるし。
極めてふつうに、ドライブを終えて、新幹線口と反対側のロータリーに彼は車を入れた。
「えー。新幹線口まで送ってくれなひのぉ?」
「いや、別にいいよ。たまたまこっちに入れてしまっただけだぁ。」
後5分くらいダイジョブだよ。 これで一人で待つ時間が5分減った。
「こないだはここの辺りでモモレンジャーのお話とかしてたんだよねぇ。」
「ああそうだね。」
「モモレンジャーはちょっぴりなんだったっけ?」
「ちょぴりケチで綺麗好きだぁ。」
間抜けな会話です。 そんな事を話してるうちにもう新幹線口。
「今日はありがとう。」
「いへいへ。」
「気を付けてね。」
「忘れ物はないかぁ?」
「うん。ない。じゃぁね。着いたらメールする。」
「あい。」
ドアをバタンと閉めて、彼の車が発進するまでそこで見送る。 バイバイと手を振ったのは見えたのかしら?
切なくなりそうな気持にパタンと蓋をして、 バッグから新大阪行きのチケットを取り出した。 そして、呟く。
「たまにはホームで見送ってくれたっていいじゃん。」
3ヶ月ぶりの逢瀬。 なんか、ラブホテルのはしごしかしてないけど それはそれで楽しかった。
桜エビのうどんも、お魚のだしの味がするラーメンも美味しかったし。
3ヶ月ぶりに逢った彼は髪が長くなっていて、でも痩せても太ってもいなくて、 相変わらずテキトーで、それが相変わらず適切かどうかなんて、あたしには全くわからないけど、優しいのか優しくないのかもいまひとつビミョーな感じだけど、
逢えて良かった。
家に着いてから、メールを入れる。
「ただいま。今家に着きました。ありがとう。」
当然のようにレスはない。 逢瀬の後の放置はもうお約束?
それでも、あたしはこれを書いている今 ほんのりシアワセ。
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