もう午前1時だ。 後何時間?
ベッドに入るとすぐに言われた。
「ほらほら、くわへろ。」
「くわへ方なんて忘れちったよ。」
「じゃぁ教えてやるからくわへろ。」
「教えてくれるの?」
「教えてあげるよ。」
ヤダヤダ。んもういつもこうやって始めるじゃない! くわへろと言われたけど、上にのって強引にキスをする。 舌が絡まると、身体の中心が痺れた感じがした。
「ほーら、はやくくわへろー。嫌なのか?」
「嫌じゃないよう。」
「せっかく小さいところでくわえさせようと思ったのになぁ。」
「つか、小さくないじゃん。十分だよ。」
舐めたり吸ったりくわえこんだり舌を動かしてみたり。 延々とそんなことをしている。時折頭を押さえつけれたたり、乳首を強く抓られたり。 その度にあたしは悶える。
「~*Yuuちゃんはフェラ好きさんだなぁ。」
「フェラ好きさんにされちゃったのよう。」
「わははは。何もしてないのに濡れてるぞぉ。」
「フェラしたからよう。」
「…さっき教えてくれるって言ったじゃん。」
「ん?根性だ!」
「何よう。根性なの?」
しばらくくわえ続けていたけど、疲れたので、ちょっと休憩。 「ひさびさなので、顎がしんどいです。」「はぁ。」
指が入って来る。 あっ。なんだ?…んっ。どした?…はぁ。うん? いちいち聞かないでよう。
引き抜いた指をそのままお尻へ。 ダメダメダメダメってば。 ダメじゃないだろ?
…くぅ。息が出来ません…。
そか。
入りませんよ。そんなのぉ。
仕方ない、じゃぁ萬個にでも入れてやろうか。
仰向けに寝たままニヤ笑いでそういう。 なんであたしが上なのよう!と少し抗議。そかそか。じゃぁっと。
…ひっ。あっ。
もう死ぬかと思った。 だってひさびさだもの。 痛いのか気持ちいいのかわかんないんだもの。 お腹の中を強く圧迫されてる。なんでそんなとこまで届くんだろう。 子宮が悲鳴を上げてるようだ。
四つん這いにされて、後ろから貫かれる。 激しく突かれる度に激痛が走る。 まだ、ちゃんと広がってないから。
…痛い。
慣れないとこの体位はとても痛い。 彼は逃げるあたしの肩を掴んで、目一杯入るように押さえつける。 痛みが徐々に快感に変わってゆく。
声が漏れないようにシーツを噛んで耐える。 後ろ手を掴まれると、逃げられない。そのまま激しく。
意識が虚ろになる。引き上げられて、座らされた体位のまま、前後に動く。 あ。ダメ。キタ…。
ふぅと離れると、彼は普通の顔をしているわけで、疲れたよというと、はぁと返す。 疲れたから休憩しますよ。と、あたしはまたくわえはじめる。 両足が震えている。それが少し治まるまで…。
「根性なの?」
「根性だよ。」
「でもさ、根性でしてても、イカナイでしょう?」
「なんだ?このままイッテ欲しいのか?」
「ヤだ。それはヤだ。」
愛撫を繰り返してると、また欲しくなるのはわかっていることです。
「…入れてもいいですか?」
「どーぞ。」
彼の身体を跨いで、少しづつ腰を沈める。 角度がわからない。ほんと、少しの間してないだけど、忘れるものなのね。笑 でも、身体がやっと思い出して来た。 少しづつ入って来る感覚がたまらなく好きだ。相変わらず。 でも、うまく入れられない。もう一度離れて、あたしは彼のモノをくわえる。 唾液を潤滑油にしないと、とてもじゃないと、痛くて入りきらない。
また同じ体勢で少しづつ。 あ、ふぅ。はぁ。
ため息をつきながら、腰を沈める。 やっと全部入った。いっぱいいっぱいな感じ。
前後に動くとコリコリと当たる。 痛くて痺れて、動きを大きくするとだんだんわけがわからなくなる。 突き上げられるとその快感が倍増する。
きっとわけのわからないことを口走っているんだろう。 そんな気がする。そして、イってしまうのです。 そのまま後ろに倒れ込んで、離れようとしたら、また引き寄せられてそのまま突き続けられた。
もうだめだよう。
イってもいい?
うんうんと頷く。すると、抱きかかえられて起こされた。
「うーむ。なんというか、変なタイミングでイってしまったなぁ。」
「…さうなんですか?」
「あい。あれ?このタイミングでイクのかー?な感じです。」
「はぁ。」
「まぁ仕方ないなぁ。イってしまったのだから。」
「終わった事はしょうがないですねぇ。」
ティッシュがまた遠い。 繋がったまま移動して、やっと手にする。 あたしが上で気をつけて抜いて、ふぅと息を吐く。
立ち上がろうとしたら、一瞬足に力が入らなかった。 喉が渇いたので、グレープフルーツジュースを。 「お茶を下さい」と彼。
グレープフルーツジュースでデパスをマイスリーを流し込む。
今何時だろう…。
時間を確認すると残り時間がわかってしまうので、時計を見るのをやめた。
-----------------------------
ベッドに並んで横になる。 もちろん、腕枕をしてもらうのだけど、雨も降ってて少し蒸し暑かった。
あたしは彼の右側に寝る。 腕枕をしてもらいながらポツポツと話す。
「あのさぁ、11月が12月に行きたかったんだけどね。」
「その時期は忙しいなぁ。予定が見えないというか。」
「やっぱり無理だということでしょうか?」
「無理かもだなぁ。」
「…もう逢えないってこと?」
「うーん。無理かもだ。」
「えっ?もう逢えないの?」
「11月12月だろ。無理だろう。」
「違うって。その先とか。」
「ああ、それは大丈夫だろう。」
なんだ。焦ったよ。 もう逢えないのかと思ったよ。そんなこといきなり言われたらあたし壊れちゃうよ。
寝息が聞こえ始める。
「あのさ。がんばれって言って。」
「うーん。がぁんばれぇ。」
「なんだよぉそれ。」
「あのね…あたしもね、いっぱい不安なの。 今、どこにも言っていけないの。masaya君にいったってどうなるもんじゃないんだけどね。 でもね、弱音吐くところが、どこにもないの。 マダームも忙しいし、みんなよりお姉さんだし、ちゃんとしてなきゃって思うの。 …だから…来てくれて、ありがと…。」
話しているうちに涙が出て来た。 彼は聞いてるのか聞いてないのか、わからないけど。 震えるあたしの身体を引き寄せて、ずっとトントンと叩いてくれていた。
無意識でもなんでもいいや。 抱きついてキスするとちょっと安心した。
しばらくすると本格的な寝息が聞こえる。 相変わらず寝入りは素早い人だなぁ…。 「お布団を発明した人はえらひよぉー。」ってまた言ってた。
-------------------------------
眠れない。 導入剤を飲んだのに、眠れない。 暑いのもあったけど、もう数時間と思うと余計に眠れなかった。 起きだして、お茶を少し飲む。 睡眠導入剤を足そうかと思ったけど、時刻を見て午前5時半だったので、やめた。 あと、3時間くらい。今飲んでしまうと起きられないから。
気休めにデパスを1錠。 眠くはならないけど、少し落ち着いた。 ベッドからずり落ちて、下半身丸出しで寝てる男はマヌケに見える。 でもこのマヌケさんにいつも助けられてるのだね。あたし。
masayaの足をベッドに上げて、お布団をかけて。 朝までもう少し。あたしも少し眠らないと…。
---------------------
あたしの携帯が7時に鳴った。「起床フォー」。HGだ。 こういう時くらい他のに変えておけばよかった。 8時過ぎには彼もむにゃむにゃ言い出す。
起きた?
ふぁい。
身体を絡めると、元気なモノを確認。 あ。勿体ない。 …何が勿体ないんだか。笑
勿体ないので、またくわえる。 そして、勿体ないのでまた乗ってみた。 恒例行事ですね。
彼の携帯で9時のアラーム。着信なのかしら? そんなことはどっちでもいいんだけど。 相変わらず朝はあたしだけしかイかないし。典型的な夜型の人だよねというと、そうですねと言われた。
出かける用意をして、彼の写真を数枚デジカメで撮った。 なんだ、スーツ着ていかないの?期待してたのに。 皺になるから向こうで着替えるんだよ。
もう送っていかなきゃ。
「masayaくん。」
「ん?」
「もう一度がんばれって言って。」
「がんばって生活しておくれ。」
「あい。また何か相談乗って下さい。」
「あい。俺に相談出来る事なら。」
「ありがと。」
スッピンのままキャップを深くかぶって、あたしは車に乗り込む。 彼も大きな荷物を持って、車に乗り込む。 新大阪までは20分程。
何を話したんだろう。
ここのお店が変わったねだとか、こんなになったんだなとか、大阪は都会だなとか、そんな話をしてたと思う。
新大阪に近づいて来た。
「またいってもよい?」
「あい。どーぞ。」
駅に入る前で、車が渋滞して進まない。
「ここで降りる?」
「降りますか。」
慌てて降りて、降りたとたんに渋滞の列が進みだした。 歩道を歩く彼を振り返ってみる。
…バイバイ。
珍しく、彼もこっちをみて手を振った。
時刻は午前10時。 午後11時半からだから、10時間半。 夜から朝まで。過ぎてみると一瞬みたい。
あたしはそのまま帰るつもりだったけど、思いついて心療内科へと向かった。 ちゃんとしないと。 がんばれって言ってくれたから。 彼のがんばれがきっと一番効くんだから。
---------------------------------
薬を貰って、途中のコンビニに寄ってお昼ご飯を買って、 帰る途中になぜか涙が出て来た。
バカ。何泣いてんの。あたし。 ちゃんと来てくれたでしょう。 スケジュール的にはほんとは無理だってわかってたでしょう。 通り道って言ってたけど、実際だいぶの寄り道でしょう。 予定を繰り上げてまで来てくれたんでしょう。
わかってるんだけど。 …ちょっと短いよぅ。
自分で自分をなだめすかして、家に帰ると、テーブルの上にグラスがふたつ。 さっきまでいたんだなぁと思うと、余計に寂しい。
精神安定剤は切れたらパニックになるから 自分に合った使い方で良いんだろう。 きっと、常用しちゃぁダメなんだよ、ね。
|