即興詩置き場。

2003年06月18日(水) 鍵穴(改稿)



鍵穴


古いのは
壊れてしまいそう
そっとしておこうと思う
そのままでいいと思う

柔らかいのは
味わうために
入れてみたくなる
濡れていればなおさら

入れられるのを待っているのに
選別して、凛として、拒絶するのに、
受け入れたものは許し、
与える
大切なものも
そうでないものも

波間の、白い、泡立つ突端に
ときどき見えて
鍵は持っているけれど
届かずに
消えてしまう





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