おひさまの日記
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ウチの猫の一匹、めいがいなくなった。
朝、はなだけしかいないことに気付く。 でも、よくよく考えると、 いつもなら寝る時に2匹そろって私の所に寝るのに、ゆうべは、はなしか来なかった。 それに、夜、見かけなかったような気がする。 恐らく、ゆうべからすでにいかなかったのだ。
ふと思い出したのは、夕べ、ストーブの灯油がなくなって、 入れるために私がベランダに出たことだ。 もし、その時、めいが開いていた窓から逃げ出して、 それに私が気付かずに窓を閉めたとしたら? あり得る。 いつもなら、こっそり逃げ出してもすぐに戻って来て、 窓際でにゃあにゃあ鳴くので、閉めていてもすぐわかる。 でも、ゆうべは、その後、アンナと床の上を転げ回って遊んで、 大声を張り上げていたので、ひょっとしたら、気付かなかったのかもしれない。
今日、近所の同じ階数の家を一件一件回り、ベランダを調べてもらった。 ウチのマンションは、猫ならベランダづたいに移動できるからだ。 でも、いなかった。 外もさんざん探して回った。 いなかった。 ウチは地上2階の高さにあり、猫には高い。 果たして飛び下りられるのか? もし、降りられたとしても、今度は上がってくる方法がない。
アンナも一緒にめいを探した。 アンナには「めいはきっと彼氏がほしくなって探しに行ったんだよ」、そう話した。 悲しませたくなかった。 なかなか見つからないめい、アンナは言った。 「めいはきっと彼氏が見つかって一緒にいるんだね。楽しいといいね」 私は「そうだね」と答えた。 アンナは付け加えた。 「でもね、ママ、めい、いつかはまた戻って来てくれるかな」
私は洗濯物をたたみながらこっそり泣いた。 ゆうべ、ひどいいたずらをしためいに、 「お前、出てって永遠に帰ってくるな!」と言ったことを思い出した。 その翌日にいなくなるなんて。
ママが怒ったから出ていったの? ママが帰ってくるなって言ったから? めい、めい、ごめんね。 帰っておいで、めい、あなたのおうちへ。 大好きだよ。
いつも、食器棚の前を通ると、頭の上から、にゃあ、とめいの声がする。 見上げると、食器棚の上にはめいがいる。 今日も食器棚の前を通ると、にゃあ、と声が聞こえそうで上を見上げた。 もちろん、そこにはめいはいない。 でも、私の瞳の奥の残像には、しっかりめいの姿が映っている。 今も、そこで眠っているめいが見える。 私の椅子の上で、アンナのキティちゃんの大きなぬいぐるみの上で、 私の膝の上で、眠っているめいの姿が。
一度も外に出たことのないめいのことだから、 もし、降りたとしたら、戻れなくてどれほど心細い思いをしたことだろう。 ひとりぼっちで暗い外はどれだけ寂しくて、寒いだろう。 エサも飲み水もなく、どれだけ苦しいだろう。
私はアンナに見つからないように、ベランダでわぁわぁ泣いた。
めい、早く戻っておいで。
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