おひさまの日記
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2003年04月08日(火) ラブレター・フロム・不出来なムスメ

今日、私は父に長い手紙を書いた。
お父さんの暴力を体験した環境が、私を今の仕事に就かせてくれた、
それは、お父さんが私に巻いてくれた種が実りをもたらしてくれたからだ、と。
お父さんの生きた証は私の中にしっかりと残り、私はそれを受け取った、と。
大好きという言葉を添えて。

私と父は成人してからまともな話をしたことがない。
してもいいとこ天気の話。
それを、そんな手紙が娘から来たら驚くだろう。
でも、私はなぜか「今」それを伝えなければならないと感じた。
父はすでに70歳を越えているし、病気だ。
いずれこの世を去る前に、それだけは伝えて彼を救いたいと感じた。
この世で彼がすべきことを、彼は立派に成し遂げたと伝えたかった。

私は不器用な父を心から愛する決断をした。
彼の一番の理解者になる決断をした。
それは、彼の今でも続く理不尽で暴力的な行為に耐えることではない。
けれど、それらをひっくるめて、父を受け入れることなのだ。
この決断をするまでに、私は36年という月日を費やした。
いや、この36年が必要な時間だったのだ。

そして、不出来なムスメは、生まれて初めて親父にラブレターを書いた。
私の心はあったかかった。
「お父さん」という言葉の響きが、あたたかくて心の中に溶け込んでいるように感じる。
私にしっくりくる感じがする。
ああ、この感じだったんだ、私が欲しかったのは、そう確信した。
お父さん、大好き。

父は母に暴力をふるい、私はそれを見続け、怯えた。
また、私も暴力を受け、言葉でズタズタに傷つけられた。
虫ケラ以下の扱いを受け、自分の存在全てを踏みにじれらた。
彼はナチスのヒトラーさながらで、私は迫害されるユダヤ人のようだった。
選択の余地も、幸せになる権利もなかった。
恨んだ、呪った、殺したかった。

でも、今は、そんなことさえ忘れてしまった。
私は大人になり、師に出会い、癒されてきた。
人が生きるということを学んだ。
そんな今、私はもう父を嫌う必要も、憎む必要もないのだった。
そこにあるのは、愛したい気持ちだけだった。

私にできることは、生い先短い父に心地よくこの世を去ってもらうことだと感じた。
だから、愛をいっぱい贈りたかった。
愛に飢えた人だから。
ただ、ただ、愛が欲しくて暴れてきた人だったから。
その足りない愛を与えたくなった。
生きていてよかったと思ってもらいたかった。
それが、私にできる唯一の親孝行だと思った。
だって、私はセラピストになるためのこんな素敵な人生をプレゼントしてもらったのだから。

私達、同じ不出来な親子なんだねぇ、お父さん。
今、なんのわだかまりもないよ。

不出来なムスメのラブレター、受け取ってね。
死ぬならそれを読んでから、いい人生だったと思ってからだよ。
今、愚痴と不満ばかり言ってるそんな状態じゃ死に切れないよ。
そんなよろよろになっちゃってさぁ、楽しく死ななきゃ。

私を親にしてくれたアンナのおかげなんだよ、お父さん。
そのアンナに怒鳴り散らしてね、苦しくなってね、泣いてね、知ったんだよ。
命って不思議だね。
魂って不思議だね。


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