おひさまの日記
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2003年06月08日(日) 三位一体

最近、よく、クライアントさんにお話しするのが、
「第三の自分を持つ」ということだ。
それを持つかどうかで、人生は大いに変わってくると言っても過言ではない。

どういうことか、わかりやすく例を書いてみる。

悪態ばかりつくクソ憎らしいガキんちょがいるとする。
そのガキんちょを見て、
私の場合なら(よくよく感じていけばすべての人に)、
「このクソ生意気なガキ、ブッ殺すぞ、コラァ!」と思う自分と、
「家でママの愛を受け取れていなくて寂しいんだなぁ」と思う自分が同時に存在する。
その瞬間、瞬間で、どちらかにウエイトは置かれるけれど、
その両方の解釈がその子供に対してなされている。
「どっちが本当に私だろう?」ではなく「どっちも本当の私」なのだ。
そのどっちかに自分を当てはめようとすると、すんごく苦しくなる。
片方の自分を切り捨てることになるからだ。

私達は、自分の中に、常に相反するふたりのパーソナリティを持つ。
それは、多重人格等ではなく単にあたりまえのことだ。
夏は暑い、ということくらい、当然のこと。
そのどちかを切り捨てるということは、
完成された形をわざわざ切り崩すような行為なのである。

道教のタオのマークは、陰陽が対になり、陰の中に陽、陽の中に陰がある。
あの白と黒のまが玉みたいな模様のマークだ。
つまり、あれがすべてのバランスの取れた形なのだ。
どっちもあって、それが完璧なのだ。

私達で言えば、白か黒、どっちかになろうとするとバランスが崩れる。
つまり、上の例のパーソナリティで話をすると、
クソ生意気なガキ!と息巻く自分、寂しいのね、と理解を示す自分、
自分をそのどちらかにあてはめる必要がないのだ。
どちらかにあてはめようとすると、バランスを崩す

それは、切り離した方のパーソナリティの否定であり、自己否定の始まりとなる。
もともとくっついてるものを「くっついてないの!」と頑に思っていると、
くっついてること自体に嫌悪を感じる。
そんな余計なものがくっついてる自分に罪悪感を持つ。
それは、とっても苦しいことだ。
自分を否定しなけらばならなくなるんだから。
自分がイヤ!自分が嫌い!こんな私はダメ!ってことにもなっちゃうんだから。

ダメぢゃないのよ〜。
だって、すべては常に相反するものがそこに存在してこそ完璧なのだから。

この相反するふたつの要素を持つ自分をしっかり認めた上で、
さらに、そのふたりを遠くから眺める「第三の自分」、これを持つ。
タオのマークはそこに存在するだけではタオのマークにならない。
それをタオのマークだと認識する者があってこそ、それそのものになる。
それと同じだ。

「こんなふうに思ってる自分と、その反対のこと思ってる自分、両方いるなぁ」
そんなふうに、ただ、客観的にふたりの自分を眺めている自分、
その「第三の自分」がいれば、完璧な自分が生まれるのだ。
この三位一体を体感できる時、私達は不動の自分を手に入れることができる。

出来事とそれに直面したことで湧いて来る感情の渦に巻かれないのだ。
巻かれてぐるぐる回ったりしないのだ。
どんなに辛い感情が自分に訪れても、それはそれで味わいながら、
常に客観的に状況を眺める力を手に入れることができる。
そうなった時、私達は多くのことに気付いていく。

私達が自分を嫌いだと思う部分、こんな私ではいけないと思う部分は、
実は、全然嫌うようなモンじゃないし、いけなくもない。
何かの出来事に直面して「こう感じる」という湧いて出る想いは、
自然に湧いて来るのであって、自分のせいじゃないのだ。
人間サマである以上、私達は108あると言われる煩悩を持ってて、
人間なんだもん、しゃーないよ!って部分なんだ。
それは、朝になると太陽が昇り明るくなるのと同じ位、永久不変の真理なのだ。

小さい頃、親に怒られたり、否定されたり、
また、社会での常識や通念により教育されることで、
私達は自分の中の「悪の要素」を認識していく。
そして、それらを、自分の中に存在してはいけないものだと受け止めていく。
私達は自分達の中にある観念を「真実」だと思ってしまいがちだけど、
その「存在してはいけないもの」という認識こそが幻想だ。
ただ単に、だれか、もしくは何から刷り込まれた幻想だ。
幻想が幻想だと気付くまでに、私達はどれだけの時間を割いていることだろう。

相反する要素の自分と、その両方を客観的に冷静に眺める自分、
その三位一体、
それが、私達を人間の幻想の渦から救い出し、
真実への第一歩へと導いてくれる。

そんなカタイことじゃなく、
もっと簡単に言うと、
そんな「第三の自分」を持つことで、
生きることがものすごく楽になるよ。


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