おひさまの日記
日記インデックス前の日の日記を読む次の日の日記を読む


2003年07月29日(火) キーワード

人にはそれぞれキーワードがあるようだ。

それは、急に入ってくる言葉。
普通に話していたはずなのに、その言葉が突然自分の奥深くまで入ってきて、
どわーっ!と感情が動くような。
それは、普段感じないようにしているけれど、
でも、やはりいつもどこかで感じていて、
自分を突き動かす衝動にもなっている感情だったりする。
自分の言動の根源になるようなもの。

セッションをしていても、
クライアントさんがそのキーワードに出会う瞬間というのがよくある。
そして、みんな自分の奥深く息を潜めている想いや感情を知る。

今日、みこちゃんとお茶していて、私もそのキーワードを見つけた。
私が人と話したり、この仕事をしていて、相手から、
「ありがとう、話せてよかった、おかげで気付いたことがあった、
 そんな言葉をもらえたり、
 私と出会ったことで、何かを得たりしたのを見ていると、
 自分がここに存在していていいんだ、って思えるんだよ、
 自分の存在理由がみつかるんだよ」
って言うと、彼女は「そうか、そうだったんだ…」とおもむろに言った。
みこちゃんは、なかなかサイキックで、
ヴィジョンを見たり、色々なものを感じたりする人。
私がそう言った瞬間、とても小さな私が、
『私は生きていてもいいの?ここにいてもいいの?』
そう言って泣いているヴィジョンを見たというのだ。
それを聞いた瞬間、私の中で何かが突然動き、しゃくり上げると涙が溢れてきた。
え?え?え?なんで?そう思う自分と、
流れてくる涙が止められない自分が同時に存在した。

キーワードはまっすぐに届く。
痛いとろこにまっすぐに届く。
普段は気付いてもいない秘密の場所に入っていく。
無条件に反応してしまうのだ。

私は、小さい頃、そうやって考えていたのだなぁ、と、改めて知った。

自分の機嫌で暴れる父、
やさしいけれどその父に怯えて虐げられ育児にまで心を配れなかった母、
毎日、剣の雨が降るかのように感じられた痛い痛いあの家。
お父さん、お母さん、どうしてそういうことするの?
どうしてやさしくしてくれないの?
私がいい子にしていれば怒らないの?
いい子にしていもて怒るのはなぜ?
私のこといらないの?

少し前までの私のキーワードは「怒らないで」「怖い」だった。
それを聞くと、自分で口にすると、とても悲しくなった。
涙が出ることもあった。
そして、その先にあったのが
「生きていてもいい?ここにいてもいい?」
というキーワードだった。

キーワードを発見したからと言って、劇的な変化が起こるわけではない。
けれど、自分でも気付いていない自分との出会いの一歩なのだ。
私達は頭にある記憶では色々なことを覚えているし、思い出せることもある。
ひどい目に遭ったよな、辛かったよな、とかね。
けれど、「心で思い出す」ということはなかなかしない、できない。
キーワードは、「心で思い出す」ワークを助けてくれる。
「心で思い出す」とは、昔自分が味わった感情を、今また再体験すること。
小さい頃感じ切れなかった感情を、再び味わうこと。

それは、昨日の「トラウマとの共存」にも書いたように、自分を知る大切な作業になる。

私達はその辛い感情を感じないようにして生きている。
まともに感じると、辛くていられないからだ。
感じないようにしながらも、潜在的にその辛さをなんとかしようとしてあれこれする。
それが、私達の無意識の言動パターンでもある。
腐った生ゴミがあるといつまでも臭いみたいに、
傷ついた時の感情があるといつまでも痛いのだ。
それを感じないようにはしていても、やはり、すべての言動の根源となる。

だから、「心で思い出す」ことは、とても大切なプロセス。
感じないようにして片付けてしまっていたものに出会う作業。
それが、いつまでも端の方でくすぶっていた感情を解放していくことにもつながる。
その感情は感じてもらえなかったから、
受け入れて(共感、共鳴して)もらえなかったから、
いつまでも辛い形で残っているのだから。

不思議なものです。
私達は、人生の色々な出来事を通して、
そんな気付いていない自分の声を受け取り続けている。
受け取るために生きているのかもしれない。
そう考えると、生きるということは、自分を救う道のりなのだと思えるよ。

あなたのキーワードはなんですか?
それがあなたの根源にある気持ちだよ。


エイミー |MailHomePage
今日も読んでくれてありがと♪すごくうれしい!
My追加
エンピツユニオン