おひさまの日記
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2010年09月10日(金) |
マシュマロとお母さん |
夕方、おやつボックス(お菓子をしまってある戸棚)に忍び寄る私。 昨日ふんぱつして買ったコラーゲンマシュマロを もふもふ食べようと思ったからだ。 おいしく食べて美肌、ワクワク。
そして、期待に胸ふくらませおやつボックスを開けた。
… ( ̄□ ̄;)
な、な、なーい、あたいのコラーゲンマシュマロがなーい!!! あああ…
真剣に落ち込んだ(笑)
ひとりひとりに尋問。
「アンナ、ママのマシュマロ食べた?」 「食べてないよ」
「パパ、ママのマシュマロ食べた?」 「食べてないよ」
「ばあちゃん、ママのマシュマロ食べた?」 「おいしそうだったから食べたよ」 「全部?」 「全部食べたよ」
…( ̄□ ̄;)
「悪いと思ったからちゃんとマシュマロ買ってきておいたよ」
おやつボックスをのぞくと、 近所のディスカウントショップで売ってるお徳用マシュマロが でーんと入っていた。
あれはコラーゲン入りでスペシャルなマシュマロだったんだよぅ! いつもはお徳用買うけど、たまには自分へのご褒美にって、 主婦的にはふんぱつして買ったんだよぅ! マシュマロ自体コラーゲン含んでるんだけど、もっと入ってたんだよぅ! いやだー、あれじゃなきゃいやだー!!!
心の中ではスーパーの通路に寝っ転がってダダこねる子供(笑)
お徳用マシュマロの袋は母そのものみたいだった。 いつも一生懸命、でも、どこか抜けていたり、とんちんかんだったりで、 よかれと思ってしていることが「おいおいおい;」ってなことがよくある母。
いつもならそこでゴングが鳴る。 私はファイティングポーズで母に立ち向かい、ケンカを売る。 色々しでかす母に腹が立って仕方ないのだ。
でも、今日は、がさつに突っ込まれたマシュマロの袋を見ていたら、 なんだかおかしくなった。 ああ、これが私のお母さんなんだなぁ、って。 そして、なぜだかわからないけど、 コラーゲン入りマシュマロを食べられたことはキーッ!なんだけど、 母を愛おしく思った。
すると、一瞬のうちに、子供の頃からの母の膨大が記憶が、 まさに走馬灯のように私の中を駆け抜けていった。 俺は死ぬのか? いや、違う!(笑)
不思議。 記憶がよみがえったのはほんの一瞬なのに、 私はそのすべてをはっきりと見た気がした。 記憶の中の母の心の動きまでが感じられるようだった。 よかれと思ってしたことで逆に責められ、悲しい思いをしたこと、 母なりに一生懸命色々なことをしたこと、 そのしてきたことの根っこにあるやさしさやあたたかさ、 そんなものを一瞬のうちに感じた。 まるで私があたかも母自身であるかのように、 母が感じたであろうこと、 母が持っているであろうものを感じた気がした。 そして、何より、強く、強く、私は愛されていたのだと。
次の瞬間、心の真ん中にストンと落ちてきた。
「これが私のお母さん」
うれしくて、うれしくて、泣きそうになった。 ああ、そうだ、これが私のお母さんなんだ、お母さんなんだ。
いつもなら戦争勃発、ケンカ腰になって母を責めただろう。 でも、今日は、腹は立ったけど(笑)不思議な感覚が舞い降りてきた。 そして、わかった。 大切なことが。 言葉にならないものが私の中に流れ込んできた。
これが私のお母さん。 うれしくて、あったかくて、心地よくて、私を大切に思ってくれるお母さん。 どうぞ、抜けててとんちんかんなお母さんのままでいてください。 そのままでいてください。 私はうんと愛されてきたと今強く感じてるんだよ。 ありがとう。 本当にありがとう。 泣けてくるこの感覚の訪れに、私はどれほど感謝しただろう。
時折人生に訪れるこうした不思議な瞬間が、私は大好きだ。 それらはきっと神様の贈り物。
そして、母に言った。
「ちょっとーっ! あのマシュマロはねぇ、コラーゲン入りなんだよ! 特別なやつなんだから! お徳用とは違うの! もぉぉぉぉぉぉっ!」
あら、娘さん、いつもと変わらず素敵な態度(笑)
おととい、庭の水まきをしていたらハチにさされて手が腫れた母。 庭の植木の中にハチの巣があったのだ。 毒が結構回ったそうで病院で仰々しく包帯を巻かれていた。 それを気遣ってアンナが声をかけた。
「ばあちゃん、手、大丈夫?」
「ああ、アリにさされたところね、大丈夫だよ」
母をのぞく一同大爆笑。 本人わかっておらず。
そうか。 私はお母さんが好きなんだ。
生きてるっていいねぇ。 人智を超えたことが日常の中で起こって、いざなわれる。 泣けてしまうほどあたたかく愛が溢れる場所へ。 こういう時、私は確信するんだよ。 人間は生かされている。 神様の愛に導かれて、そんな場所へ辿り着くために。 魂が知っている場所へ帰るために。
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