数年前に、一緒に仕事をしていた人が辞めることについて私はいろんな感情を持った。
なんで?なんで?理由は?
数年前に、仕事を辞めることを決めかねていた。
お願い、お願い、ひきとめて。 ひきとめてくれたら、私はまだここで働きたい。
なんでみんな、あの人さえも、ひきとめないんだろう。
なんであんなにいい人なのに、去るのを何も言わずに行かせるの?
ひきとめたら、まだここにいてくれるかもしれないのに。
今、ここに立っていて、同じ道を歩む人も何人かいて。
それでも、方向転換をちらっと言っても何も言われない。
それが、情の深みだとかそういうのだったら分からないけど、
ほんとのほんとに「その人が決める、その人の人生」だからこそ、
大人は他の人の人生に意見は言っても、口出しはしない。
別にその人が自分にとって利害や関係ないから、嫌いだからじゃなくて、 口出しするのは、違うんだ。
それがその人の人生だから。その人が決めたことだから。決めることだから。
その重さが、すごく重いことに今更気づいた。
ひきとめたり、なんで?なんで?を繰り返すのは子供のすること。
ひきとめてほしいなんて、思ったりするのは子供のすること。
これが、大人なんだ。
そんなことを、やっと理解した。
「大人になんなさい」
なんか、誰かに数年前から言われている気がしてならない。
だけどやっぱり、寂しい。
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