| 2002年04月21日(日) |
★リアルタイム日記 ただいま26番金剛頂寺★ |
夕べはすごいあれようだった。夜中、まるで木の葉の舟に乗っているような海鳴りに一晩中包まれた。 し・か・し、一昨日の鶏よりいい。 朝まで雨は残り、海は白い波頭を見せてあれている。 なにしろ、ロッジ尾崎さんの海の見える部屋に入れてもらったから迫力満点の室戸の海を眺めることとになった、朝から。今日は雨の歩きだ。 6時半、下に降りると、はなちゃんが濡れて寝そべっている。ご飯はできてカウンターの上。昨日のお客は、私たち二人と船橋から来たというyサンというおじさんだったが、彼もでようか、どうしょうかという感じで外に出ていったが、私たちは雨でも歩くから、外も風が強くなければオーライだ。
食事を終えて支払いの段になって、おまけしてくださった。 「ホントはお接待しなければならないんだけど」 と、おかみさん。 とんでもない・・・。またくることができて、楽しい話ができてありがたかった。 でがけに、たくさんのビワと増築祝いだというタオルのセットをくださった。 琵琶はホントに豪華。
外に出ると、ぬああ〜と温かい。雨だけど、寒くはないのでまあ何とかなるだろう。 女将さんが私たちの姿がなくなるまで送ってくださった。 凍らせた水入りペットボトルを用意してくださっていたが、さすがに今日は飲まないだろうということで重たいから辞退した。
以前歩いたときは室戸までの道はほとんど歩道がなかった。 しかし、今回、ずっと歩道(一段高くなっているというところも含めてだが)があった。安全度、すこし高くなった気がする。 海を見ているとなんか黒潮が近い。すぐそこを黒い流れが流れている気がする。 椎名漁港でトイレを借りて雨の中を休憩。 欲を言えば、このルート(佐喜浜から室戸岬まで)に屋根付き四阿とトイレがあればいうことなしだけど。室戸市に要望を出してみようかしらん。
椎名の付近、波が高いあたりでサーファーが遊んでいる。 そこに漁師ふうの親父さんが何かを叫んでいる。 「どうしたんですか」 「あそこなあ、あぶないんじゃ。波に持って行かれて頭ぶわる・・・」 きけば、一番波の立っていないとこが一番危ないのだという。 そこは、外への潮の流れがあって持って行かれて返す波に飲まれて岩に頭をぶつけると、いうことになるらしい。ふーん。
室戸青年大師像前、10時35分着。大休憩。 雨だと休みがすくなくなるので予定より早かった。 小降りになった雨はほとんど上がっている。 みくろどうによって、24番への遍路道を登る。 あついし、きついし、たいらなとこを歩いてきてこの急坂はやっぱりこたえる。 でも、そんなに距離がない、とわかっているのでやっとこどっこいで我慢できるが。 11時40分、最御崎寺。 kさんとワタシが本堂のお参りを終えて大師堂に向かったら、同宿だったYさんが見えた。 「きいてくださいよ、ずっと私にに犬が付いてきてね」 「はなちゃんが?」 「違いますよ、どうも捨て犬かな・・腹が空いているようで、なんかあげようにもなくて、通りかかったおばさんにこのへんにお店はないかときいたら、ないといわれたんであきらめていたら、その人が車でパンを買ってきてくれたんですよ」 それで、そのパンをお犬さまに・・か。 その犬くん、遍路道をずっと一緒にあがってきたらしい。 そこまで話すと、yサン、また姿の見えなくなったお犬さまを探しにいった。 昨日も今朝もはなちゃんにおかずをあげていたから犬がすきなんだろうけど。おもしろいお人だ。
24番さんの真新しいへんろセンターで、納経所にいた奥さんらしい人に予約はしてないんですがなんかお昼をいただくことはできませんか、ときいたら「カレーなら」ということだったのでお願いした。お接待で「室戸深層海洋水」がおいてあった。飲み放題。おいしいが、そんなに飲めるモノではない。 室戸で、変わったのは、この深層水の工場が大きく新しくなったことくらい。 ワタシは有名になる前、時々お取り寄せして飲んでいたのだが、みのもんたでやったとたん、手に入らなくなった、が、今はややだぶつき気味?なのねえ。 あちこちでこの水、見かけるようになった。 体になじむ優しい水、常温で飲むとそれがよくわかる。
雨は上がったが、用心で雨具を着る。でも暑いんだわ、サウナ状態。 のんびりと下っていたら、納経所にいたおじいさんが車で降りてきて「歩くんか?」とやさしげにきいてくれた。おじいさんは、25番と26番の間にある自宅に帰るという。のっていかんかと・・・・太平洋を見下ろす雄大な景色は遍路道でも好きな風景・・楽しみたい。優しくおことわりした。
25番津照寺着2時半。 ここで、お遍路バス3台分のお遍路さんに出会った。びっくり。あまり広くない大師堂前が新宿の雑踏のようになってしまった。 ついてすぐに納経帳を出しておいて、大正解だった。 ここの急な石段で捕まりながらゆっくり片足ずつ降りているおばあさんにあった。 「ご苦労様です」と声をかけたら、「じきにお四国さんにいくんよ、そんでな、石段歩けるろうかと確かめにきたんよ」 「ここをのぼっておりれたらだいじょうぶですよ」 「そうややなあ」 とにっこり。
お天気は落ちてきそうで怪しい、いよいよ蒸し暑くなる。
室戸の町中をてくてく歩く。町中、どうも活気がない。好きな町だけに気になる。 金剛頂寺までの4キロ妙に調子が出て、はなうたがでてきて、どんどんスピードが上がっていく自分にびっくり、後ろのKさんを気にしないといけないのだが、どうにも足がいってしまう。こまった・・・どうしたんだ・・右足は親指の爪がとれてただいま成長中、いたいのに。
金剛頂寺4時5分着。 最後の山道がややしんどいが、まあ、時間通り着。
宿坊の食卓で、3人の歩き遍路の男性、70代の乗ったり歩いたりという女性遍路さんと同席。 明石から来たという女性は阪神大震災にあって家が全壊して引っ越したという。 そうかあ。 男性のうち2人は退職遍路さんで、一人はあのyサンだ。もう一人は31歳の秩父のお寺の息子さん。彼、精進ということで、お魚類いっさい手をつけていなかった。 食後、30分ほど、いろいろ話が弾んだ。楽しい夕食だった。 もちろん、メニューも豪華だったが。
明日は快晴らしい。神峯寺だ。しんどいぞう・・がんばろう。
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