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2006年11月25日(土) 生抽、珠茶、龍井茶
生抽、珠茶、龍井茶

色んな理由で2ヶ月前から和食 --実家の料理に近い、薄味かつ野菜が多いのが特徴-- を作り始めたのだけど、 やはり1ヶ月も経たないうちに料理が変質し始めた。

味噌汁に使っていた煮干は東南アジア産の干しカタクチイワシ (ikan bilis)に取って代わり、 具はマッシュルームと中国野菜の組合せが多くなり、 米はジャポニカ米(主に安くて品質は確かな豪州産中粒米)から インディカ米(主にジャスミン米)に代り、 味噌の代りにラクサペースト(laksa paste、ラクサ麺のスープの素) を一部入れるようになり、 時々食べていた漬け麺は安い上海産の乾麺が多くなり等々。 そしてやはり苦手な日本の醤油の代りを探そうと思った。

今日午後中央市場(Central Market)へ。 アジア料理の材料を扱っているスーパーで各国産の醤油を見て回り1本購入、

買った醤油は 珠江橋(Pearl River Bridge)ブランドの 「金標生抽王(Golden label superior light soy sauce)」。 買った理由は原料が水、大豆、塩と小麦粉だけと純粋だから。 値段は600 mlで1.75ドル(約160円)。 安いけどラベルをよく見ると偽物防止の対策のためか虹色に光る。

日本の醤油(ヤマサ)と比べると色は薄く(薄口と濃口の間くらい?)、 アロマとフレーバーも私にとっては日本のよりきつくないので 私には使えそう。 味は日本のより甘み(糖分が残っている)と独特の旨味がある。 香りは中国酒のそれのようにどこか土くさく、 どこかビールのようなにおいもする。

こちらに来て少しアジアの醤油を試して分かったことを書くと、

  • 中国語の「醤油」は日本の「醤油」や英語の「soy sauce」より意味が狭く、 「老抽(後述)」の意味になる。
  • こちらの中華料理で使われる主な醤油は「生抽(light soy sauce)」と「老抽(dark soy sauce)」。 原料が似ているし、漬けて頂く料理にも使うため、 前者が一番日本の醤油に近いと言える。 老抽にはカラメルや糖が加えられているので色が濃く粘調。 回鍋肉やある種の焼きそばのような炒め物に使われる。
  • 他に魚介類も原料に加えたホイシン(Hoisin、海鮮)醤油や 茸も原料に加えたマッシュルームソース(茸醤油)もある。 Classic Asian (製造元は中国のAsia Pacific Food Industries) ブランドの茸醤油はどこか日本のオイスターソースのような香り、風味や味がする。
  • タイやマレーシアにも醤油がある。 後者には甘口の「kecap manis」や辛口の「kecap asin」がある (どちらもまだ試していない)。 これらがケチャップの語源のようである。
  • 概して日本以外の醤油には添加物が多い。 とはいえ日本の醤油の中には保存料としてアルコールを添加しているものもある。
  • 日本以外の醤油のほとんどは酸味やアロマやフレーバーがそれほどきつくなく、 糖分が残っているか含まれているので、 調理の仕方が違って来るはず。 和食より香辛料を多く使い、 香りのより複雑な酢やすっぱい果物の汁を使い、 甘い調味料を少なく使うのではと予想される。

日本人は国産に執着せず、 米同様日本以外の醤油もトライした方が より料理を楽しめるのにと思う。

スーパーではついでに茶のコーナーも初めてじっくり見て、 2品買って来る。 買って来たお茶は珠茶(ガンパウダー)と龍井茶。 前者の製造元は上海の天壇(Temple of heaven)で 値段は250 gで3ドル(約270円)。 後者は浙江省の獅峰ブランドで 値段は125 gで6.5ドル。 どちらも煎りが少し深過ぎるようで、 水色がやや濁っているけど どちらも安いし普段飲むのには十分。


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