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2007年01月24日(水) ワイナリー巡り開始
ワイナリー巡り開始

今日はとにかくワイナリー巡りをすることに決めた。 そのために今回来たのだから。 観光案内所で参加できるワイナリー巡りのツアーは数えるほどしか無かったけれど、 幸い昨日チラシを手に入れた「ヴァインホッパー(Vine Hopper)」のツアーに参加できた。

8時に車に乗せてくれる約束をしていたNBがこちらの部屋に8時半まで来なかったので 私がトイレにいる間来てもう行ってしまったのかと思い、 歩いて市街へ。 彼女の車を駐車場で見なかったので やはりもう出発したのかと思っていたら、 何と歩いている途中彼女に車から声を掛けられた。 乗せて頂き、 同乗の娘さんAを市街の外れの歯医者に降ろしてから市街へ。 途中の交叉点で学生達が缶を持って募金活動を危なっかしくやっているのを見る。 大学の新学期のカーニバルの資金集めと言う。 Aも明日やると言う。

9時前に教会通り(Kerkstraat/Church Street)の旅行案内所 (Cape Town Information Centre)で降ろしてもらい、 女の子のスタッフに尋ねて ワイナリーツアーに参加。 最初である9時の便は過ぎたので次回10時半の便に参加することに。 時間ができたので道を覚えるのを兼ねて市街を散策。 Andringa通りのプロテア書店(Protea Boekwinkel)で (最新の)アフリカーンス語の辞書を発見。

旅行案内所に戻ったら、 10時半に若い男の案内人に誘われて ツアーに参加。 カナダ人の父娘と一緒。 父親はイタリア出身で彼の父はワイン醸造学校の講師と言う。 娘さんは私と同じ位の齢に見え、 スーダンに住んでいると言う。 彼らとは最後のワイナリーに着いたところでお別れ。 5番目のワイナリーからミネソタ出身の若い男と現地人らしい (アフリカーンス語も喋っていたので)若い細みのきれいな黒人女性の組も参加。

最初に訪れたのはVredenheim。 庭がきれい。 ワインについては全体的に樽のきつくないドライなものばかり。 アルコール度数は14%以下と低めのものが多かった。 醸造自体は健全。 赤ワインはピノタージュ、カベルネ、メルローとシラーズを試したと覚えているが、品種の個性に乏しかった。 南アのワインに一般に言えるが、 赤ワインはヴェジーキャラクター、野菜を連想させる香りや味が目立った。 ソーヴィニョンブランはパッションフルーツ主体のキャラクターで悪くはなかった。 テースティングはグラスにつき2ランド。

なおこのワイナリー附近でスプリングボック、ダチョウ、 野牛(ヌー?)、シマウマを見る。 このワイナリーが保護しているらしい。

次にVan Ryn蒸留所を訪問。 ここはブランデーとリキュールしか生産していない。 エルサという若くてきれいな既婚女性 --左薬指に指輪をはめていたので--に案内される。

原料はシュナンブランとコロンバール、たまにパロミノが使われ、 葡萄は房の「茎」を除いた後軽く破砕し(バンチプレスではない) フリーランを取られる。 ポットスティルで2度蒸留し (2度目の蒸溜でメタノールを除く)、 輸入したフレンチオーク (こちらで見かけるオークは漏るので使えない) を職人が樽に作り、 これに入れて熟成する。 10年ものと12年ものを試飲したが、 後者が明らかにおいしかった。 前者は中性アルコールで伸ばされているから。 アロマとフレーバーはよく覚えていないけど、 コニャックとアルマニャックを足して中性アルコールで2倍に薄めた感じ、 つまりいまいち物足りなかった。 「Angel Share」リキュールもいまいち。 どれも品質は良かったのだけど。

試飲とツアーは有料。確か15ランドだったと思う。

その後Spierへ。 ここは娯楽施設もあるワイナリーで 商業的なワイン(豪州のヤルンバみたいな)を作る。 テースティングは5グラス単位で10ランド。 ピノタージュロゼは苦みが豊か(悪くない)で 色がサーモンオレンジで 豪州のグルナッシュロゼよりロリー(豪州のキャンディー)のアロマはそれほど多くなかった。 でも悪くはない。 普及品のソーヴィニョンブランと高級白ワイン(ヴィオニエ等)は スクリューキャップ(Savin)で栓されている。 ソーヴィニョンブランは複雑さに欠けるが、 フルーティかつフレッシュで悪くはなかった。 白ワインにはシュナンブランとシャルドネがあったが、 同行のツアー客の「お父さん」の言葉を借りるとどれもフラット、 品種の個性に乏しかった。 赤ワインにはピノタージュ、カベルネとシラーズがあったけど、 こちらも品種の個性に乏しいうえオーバーオーク、 樽の風味がきつかった。 ノートは付けなかったものの、 真面目にテースティングし過ぎて すっかり疲れてしまう。

Spierでも食事できたけど、 カナダ親子と案内人と同意見で 次の訪問地Dombeyaで昼食を取る。 静かで景色が良く緑が多かったので満足。 お父さんはダチョウのロール(ギリシャのイロ似)、 娘さんは全粒粉のトースト料理、 私はBoerewors、南ア名物のビーフソーセージ --直訳は百姓ソーセージ--とイガイ入りのシェルパスタを頂く。 おいしかったけどそんなにお腹が空いていなかったうえ ばてていたので料理を楽しめなかったのが残念。 ここのソーヴィニョンブランとシャルドネはなかなか良かった。 葡萄畑に入ることができた。 葡萄栽培を専攻しているので色々観察してしまった。 良く手入れされていたよ。

次に訪れたのがBilton、ここのワインが一番良かった。 豪州の名産地クナワラと互角以上の上等なワインだった。 ヴェジーキャラクターは適度にあり、 他のベリー、オーク等のフレーバーやアロマと良く融合している。 テーステング担当の黒人の若い女性が感じの良い人で、 ワインの知識も十分持っていて素敵だった。 グラスはシュピーゲラウ。 ここは葡萄畑を所有、 取れた葡萄の1割をワインに利用し、 残りは他のワイナリーに売ると言う。

Kleine Zalzeが最後の訪問地。 ワインの品質自体は良いけど、 ワインは全体的にオーバーオークで 赤ワインはヴェジーキャラクターが強い。 シュナンブラン・オールドヴァインは葡萄自体は悪くないけど、 これもオーバーオーク。

帰りは市場通りの観光案内所でスタッフとアメリカ人の一行が下車、 別の若者が運転を代行(ゲストハウスに住所が近いため)、 ゲストハウスまで送ってもらう。 私がブルムフォンテンを旅行したことがあると話したら、 彼が自由州出身と知る。 ヴァインホッパーのスタッフは皆親切だった。


ハッピーパイパー
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