ウェブ日記
機械式時計の道の始まり機械式時計に関心を持った一番の理由は、 それに寿命が無いことだろう。 でも私は20代までは機械式時計が嫌いだった。 中学受験時、 父のお下がりのセイコー・ロードマチックを腕に付けて使ったが、 日に1分近く遅れたのが理由。 調整したら日に数秒の精度まで上げられることを当時は知らなかった。 そのうえ機械式時計には不運なことに、 1978年はクオーツ時計が爆発的に普及し始めた年でもあった。 1980年に太陽電池付きのデジタル腕時計、 セイコーシルバーウェーブを親に買っていただいて十数年間愛用した。 定期点検すれば生涯使えると信じていた。 しかし二次電池が寿命になり、 部品が生産完了で無くなって交換できず、 泣く泣く使用を止めた。 液晶が寿命にならなかったのはラッキーだったのに。 このことがきっかけで、 寿命の無い腕時計が欲しくなって、 機械式時計に関心が湧いた。 精度も改めて調べたけど、 日に数秒の狂いなら週に一度時刻を直せば私には全く問題無い。 1997年にスイス・エドックス社の限定品、 10気圧防水、パワーリザーヴインディケータ付きクロノメーターを買ったのがきっかけで機械式時計を愛用始めた。 それから16年経ったけど、 部品切れで使えなくなった機械式時計はまだ無いので嬉しい。 機械式時計は実際寿命が長い。 9年前都内のワインバーから宿泊先へ向かう途中の地下鉄で、 1970年前半製造された56系のキングセイコーを腕に付けている人が隣の席に座って驚いたことがある。 「56KS?」と突然隣の酔っ払いに聞かれたその客はもっと驚いたに違いない。 残念ながら時計談義はほとんどできなかった。 |