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2002年01月16日(水) |
ぼくは二十歳だった ●残響(保坂和志) |
「ぼくは二十歳だった。 それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどと、 だれにも言わせない。」
成人の日になると、いつもこの、ポール・ニザンの言葉を思い出す。
次ぎに引用するのは、ポール・ニザンにあてた、サルトルの言葉。
「彼はコミュニストになり、コミュニストであることを止め、 孤独に死んだ、或る窓の傍で、 階段の上で。 この生涯は、この毅然たる妥協の拒否によって説明される。 彼は反抗によって革命家になった。 そして革命家が戦争に譲歩せねばならなくなったとき、 彼は過激な自己の青春を 再び見出し、反抗者として終ったのだ。 彼の言葉は、若く、きびしい言葉だった。 これを老いさせてしまったのは、われわれなのだ。」
反抗の形は様々。
このところ我が国では、20歳たちの幼稚で無自覚な自己主張ばっかりが取り沙汰されるけれど。
いやいや、一事が万事ではないはず。
これからを変えてくれる、20歳の美しき無軌道が、ポジティブな反抗の心が、わたしの知らないところで、ふつふつとたぎっていることを想像する方が楽しい。
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