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2002年02月12日(火) 陽に透けたる卵殻、いとおかし ●戦争の悲しみ(バオ・ニン)

 朝、目玉焼きをつくろうと冷蔵庫から卵を出したら、窓から差し込む朝陽で、白い殻が透けている。なんとも言えない、透明な白。そしてまばゆく光っている。中にはうっすら黄身の影。
 健康的で、生命力があって、と、わたしは、馬鹿みたいに感動して、しばし目の上にかざして見ていた。
 調べてみると、 卵の殻の表面には直径 15 〜 65μmの微細な気孔が,1cm2あたり 100 〜 300 個存在しているらしい。 炭酸ガスや水分をこの気孔から逸散してゆく。
 まったく、冷蔵庫をのぞいただけでも、この世は神秘の宝庫。
 神秘の造作の長たる人間のことを考えるのは難しすぎて時としてしんどいけれど。(このところ、わたしはちょっと戦争ものを読み過ぎているものだから。ちょっと飽和状態。)
 
 長らく一人暮らしをしていると、こういうつまらないことでも、隣に誰かいて、話せたりすると、いいかもしれないな、と、時々思う。ま、つまらないことに感動し過ぎると、馬鹿にされるのがオチと分かってはいても。


寒いけれど、いい天気が続く。ベランダに出て、わざわざサングラスをかけて新聞を読んだり、書き仕事したりしている。洗濯物があっという間に乾いていく。まったくもって、生かされていると思う。
 


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