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2002年07月11日(木) 美味しいお酒を今宵も

 新潟公演第1弾の初日を開ける。演劇に良い意味ですれていないお客さんが満杯で、幸福な公演だった。

 地方公演に出た時のわたしの行動パターンには二通りあって、飲んで楽しい仲間がいる時は夜毎飲み歩き、飲んで楽しい仲間がいない時は、ただひたすらホテルで本を読み過ごす。

 このたびは前者の方。
 ただ、大勢でわいわいがやがやは苦手なので、ほとんどない。2人か3人で、ちゃんと美味しい酒を飲む。

 先日この日記にも書いた池内紀さんと飲んだ時に、「ああ、これは美しいな」と思ったこと。
 蕎麦屋にて。「食べるもの、なんでも好きなのを頼んでください」と言われ、お品書きの中からわたしはわたしの趣味で酒肴を選ぶ。
「じゃあ、わたしは蕎麦味噌と、生湯葉と、酒盗を頂きます」
 当然、池内先生はご自分で好きなものを選ぶのだと思っていたら、
「じゃあ、それをふたつずつ」
とおっしゃったのだ。

 なんとも美しい注文の仕方。
 わたしたちは日本酒を傾けながら、同じ酒肴をほぼ同じペースで美味しく頂き、皿の空いたところで、お蕎麦。先生は2枚。わたしは1枚。

 美味しいお酒があって、美しい飲み方を知っていて、美味しい人間関係があれば、そりゃあわたしは毎日お酒を飲む。
 恋人と囲む酒が最も美味しいと思える現在は、やっぱりどうやら、幸せなのであるな、わたしは。

 


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