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2002年07月08日(月) ただ仕事をしているだけなのに。

 新潟の劇場に入って2日目。セットを建てこんだりしている間は、わたしはバイト君がわりのお手伝いをしたり、その時々のお願いやら注文をスタッフに伝えるくらいの仕事で、かなりのんびりしている。(もちろん、そういう時に未然にふせげる過ちを見つけるというのは、大きな仕事なので気を抜いて過ごせるわけではないが。)
 自然、わたしは働く人たちを眺めて暮らすことになる。
 これが、また、楽しい。

 朝一番にやる気満々の人やら、低血圧ゆえか不機嫌な人。皆それぞれなのだが、ひとたび仕事が始まると、皆それぞれに、自分の信念やら「仕事ってのはこういうもんだ」という方式にのっとって動き出す。物事がうまくいかなかったり、ちょっとした読み違いをしたり、思った以上に事がうまく運んだり、意志の疎通がうまくいったり……生まれる状況は様々で、その時々のスタッフの動きやら選択を見ているのは、なんだかひいて見ているようで申し訳ないとは思うのだが、実に楽しい。一人一人の資質が、とっても露わになってくるのだ。

 これはもちろん、俳優達が劇場入りをして、わたしが忙しくたち働き出した時に、彼らがわたしを観察しているという事実にも通じる。

 人が複数集まれば、どんなことだって起こりうる。限られた時間で何かを作り上げようとすれば、それなりに緩衝は生じる。そこでどう動くかが、現在の自分の存在証明になる。

 なんだか、やっぱり、仕事している以上、一瞬も気を抜けないってことかな。

***

 久しぶりに、日々の記録を再開すると、それなりの反応がある。今みたいに、書きたいことはたくさんあっても時間のない時、そんな時でも、ちょっとでも書き付けておくことの魅力を実感する。

 仕事場にいて、現場にいて、今日もまた、何がなくても幸せだった。
 この幸福感、いったいいつまで続くのやら?


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