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2002年12月07日(土) |
幸せだなあと思えることがうれしい。 |
●ロンドンへ短い出張に出ていた恋人から、帰国の連絡なく、仕事の合間にも、そわそわそわそわ。 元気にバリバリ働いていながら、パリで、自分自身が突如帰国不可能と思われるほど体調を崩したことを思いだし、不安つのる。 仕事が終わろうかという頃、帰ったよの電話あり、飛行機は遅れるわ、リムジンバスは遅れるわ、の報告。ほっと胸を撫で下ろし、待ち合わせて食事。
●わたしが今、ものすごーくいれこんでいる小説、これをどうしても舞台にしたいと思っている小説を、旅のお供にと、彼に渡してあった。 先日プロデューサーに、「難しいね」とまずは一掃されたもの。 読み終えた彼の「面白い、いけるよ、あれは」のことばに、ガガーン、ゴゴーンと、テンション高まる。 自分が面白いと思ったものを、たった一人でも、他人が面白いと思ってくれた瞬間に、仕事は始まる。あとは自分のエネルギーと、愛情や熱意を形に能力だ。むくむくとやる気が湧きあがってくる。 スタートラインに立ったという気持ち。
●わたしが恋人と呼ぶ人は、わたしがこれだけcleanにこれだけpureに愛しているにも関わらず、妻帯者だ。どうにもこうにも、限界がある。でも、こと仕事に対する判断力に関しては絶大なる信頼がおける。まるで交換条件のように、一緒に仕事をできる人だ。(世の中はうまくいかない) 戦友であり同士(同志)である恋人に後押しされて、前に進むエネルギーを惜しんではいけないなという気持ち。
生き続ける限り、仕事したい気持ち。
●と、理想と無垢なる喜びを並べる夜の時間を過ぎると、現実の仕事が待っている。 今日、稽古場にセットが立ち上がった。また新しい仕事の始まり。これはこれでやっぱり、どきどきわくわく。 新しい人が集まって、新しい人と知り合って、短い時間、密接に暮らす。人が集まる以上はめんどうなことがいっぱいあって、人が集まる以上は、喜びがいっぱい生まれる。
さあ、また始まる。
なんだか悪くないなあ。
ちょっと酒に酔っているのと、夢見る気持ちで、ささやかな幸せを思いきり享受する。
恵まれていると言えば恵まれているし、恵まれていないと言えば恵まれていない。まあ、当たり前の暮らし。それを幸せと思えることが、幸せ。
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