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2003年05月13日(火) 双子だの、無常感だの。

●最近、どうしたわけかやけに早起きのわたしは、今日もすでに眠い。明日も朝が早いので、迷わず寝るぞ。本当は、夜中にどうでもいいことを書いてる時間とか、ベッドでうだうだと読んでる時間が好きなのに、いやはや、どうしたわけか。健康的ってのも、なかなかつまんないもんである。

●読み始めたいしいしんじ氏の新作。まださわりだが、どうも双子の物語であるらしい。
 わたしは双子の話に滅法弱い。もう、そういう質(たち)だと言っていい。
 物語の中の、忘れ得ぬ双子が二組ある。ジョルジュ・サンド「愛の妖精」のランドリーとシルヴィーネ。アゴタ・クリストフ「悪童日記」のぼくら。(続編では名前があったが、なんといっても”ぼくら”と自称していた彼らが印象的だ。)
 双子の持つあらゆるメタファーに心が揺れやすいのは、自分を愛したり自分を憎んだりという精神のぶれを、幼い頃から激しく経験してきたせいだろうか?
 今や物語に双子が出てくるだけで、小鼻のあたりがひくひくとする。「こ、これは……」と、活字を追う目がちょっとすわってくる。
 さて、いしい氏の書く双子や如何に!?

●SARSの報道に接していると、他人の悲劇に胸が痛み、人間の無力さに慄然とし、対応の非人間性に苛立ち、我々の存在など遙かに超越した大いなる負の力の律動を感じる。ひとことで言ってしまえば、無常感ばかりがつのるのだ。
 
●コンサート、別のホールで明日たちあげ、それでおしまい。短い仕事だったが、はじめてつきあうスタッフが多く、どれも良い出会いであったので、ささやかに嬉しい。
 


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